和泊町の手々知名にある和泊中学校「あかね文化ホール」で8月22日、「第13回奄美考古学会(沖永良部島大会)」が開催された。今年2月に「沖永良部島古墓群」が新たに国指定史跡となったことで島民の歴史への関心は一層高まっている中で開かれた同学会には、考古学会関係者37人、一般島民51人の計88人が参加した。
沖永良部島のイクサイョー洞穴遺跡の発掘調査結果発表をされた 志学館大学 竹中さん
基調講演では、琉球大学の木村亮介さんが「琉球列島における人類の出現・拡散と文化の形成」と題して登壇。琉球列島は諸島ごとに遺伝的分化が進み、本土日本からの混血の歴史が異なるという最新のゲノム解析結果を報告した。続く研究報告では、志学館大学の竹中正巳さんが、地元知名町の「イクサィヨー洞穴遺跡」における発掘成果を発表した。同遺跡は川岸と海食崖に2つの洞口を持つのが特徴で、2021年から継続的な調査が行われている。表土からは鎌倉時代の和鏡や人骨などの中世の遺物が出土。さらに下の層からは縄文後晩期の人骨や土器、貝輪を着装した壮年男性の石棺墓や、紀元前15~14世紀のものと判明した再葬墓が発見されている。中世から縄文時代にいたる複合的な葬送文化や島民のルーツを解明する重要な足がかりとして大きな注目を集めた。
大会ではこのほか、タイムリーな話題となった「国指定史跡沖永良部島古墓群の特徴と葬られた人々」についての報告をはじめ、奄美市宇宿貝塚の再評価、奄美群島における先史土器の胎土分析、徳之島の水中遺跡の調査と活用に関する提言など、最前線の発表が行われた。夕方に閉会を迎えるまで会場からは途切れることなく質問が飛び交い、奄美の豊かな歴史を地域で、どう生かしていくかを考える一日となった。