沖永良部島の和泊町を拠点に活動するNPO法人「スマッピー」が7月27日、夏休み中の島の子どもたちを対象にした「鍾乳洞探検(ケイビング)ツアー」を開催した。日本財団「子どものワクワク応援支援金事業」の採択を受けて実現したもので、小学2年生~5年生の13人が島自慢の地下世界へと足を踏み入れた。
沖永良部島は、奄美群島の中でも「洞窟の聖地」として知られ、国内外から多くの愛好家が訪れる場所。しかし、島内に暮らす子どもたちにとっては、身近でありながらもなかなか一歩を踏み出せない「未知の領域」でもあった。
今回の企画を立ち上げたのは、かつて自身もケイビングガイドとして活躍していた同NPO代表の新納佳恵さん。新納さんは「子どものうちから地域の豊かな自然を肌で感じ、思いきり遊ぶ大切さを知ってほしかった」と話す。安全面には万全を期し、保護者への事前説明会を徹底したほか、島の認定ガイド3人がサポートに名乗りを上げた。
ツアー当日、初めて入る洞窟を前に、出発前の子どもたちの顔には緊張の色が隠せない様子だった。しかし、一歩洞窟へ入ると表情は一変。ひんやりとした冷たい水に漬かり、ヘッドライトの光が数万年の時間をかけて形成された貴重な鍾乳石を照らし出すと、緊張は一気に解け、子どもたちは笑顔を見せた。
探検のクライマックスとなったのは、洞窟内に現れた天然のウオータースライダー。最初は恐る恐る足を運んだ子どもたちも、勇気を出して一度滑り降りると、すっかりそのスリルと爽快感のとりこに。「もう一回、もう一回」と、暗闇の洞窟に無邪気な歓声が何度も響き渡った。
メインガイドを務めた有川剛千代(たけちよ)さんは「島の面白さを体感し、大人になったとき島で育って良かったと思ってほしい」と話し、たくましく順応していく子どもたちの姿に目を細めていた。ツアーを終え、全身水浸しなりながら地上に戻ってきた子どもたちは一様に笑顔で、「すごく楽しかった」と口をそろえた。
同NPOではこの夏、31人の登録児童に向けて、今回のケイビングを皮切りに、シュノーケリングやリーフトレッキング、子ども縁日など多彩なプログラムを計画している。
新納さんは「ただ自然を体験するだけでなく、今後は地域の人たちにもサポーターやボランティアとしてもっと関わってもらいたい。子どもたちと地域が手を取り合い、みんなが安心して過ごせる『島の居場所』を継続して作っていければ」と、これからの地域づくりを見据える。