台風18号・24号の影響で長期にわたり途絶えていた定期フェリーが、奄美群島南三島の各港にようやく姿を見せた。9月7日に徳之島に到着したものの、沖永良部島と与論島は7日の便が抜港となり、翌8日に待望の入港を果たした。1週間以上にわたる物流停止を経て、島内各地のスーパーや商店には待望の食料品や日用品が次々と運び込まれた。
長引く交通機関のストップにより、島内の物流は完全に停滞。生活に不可欠な物資の供給が1週間以上にわたり途絶えるという深刻な事態に直面した。島内の大型スーパーをはじめ、地域に密着した個人商店では、店内に抱えていた在庫をほぼ全て出し尽くし、船の到着をただひたすら待つという状況が続いた。徳之島では停電下で自家発電設備を稼働させ、暗闇の中で営業を継続して島民の食生活を守り続けた店舗もあった。
フェリー到着から一夜明けた8日、島内各地の店舗には待ちに待った商品がずらりと並び始めた。スーパー吉村(徳之島町花徳)の店頭では、品薄状態だった棚に次々と新鮮な食材が補填(ほてん)された。精肉コーナーで自ら商品の陳列作業を行っていた代表の吉村淳さんは、「ようやくお店に商品を並べることができた。まだまだパンなどの商品は後回しになっている部分もあるが、少しずつ通常に戻ってきている」と安堵(あんど)の表情で語った。店内には精肉や手作りの総菜、新鮮な野菜や乳製品などが並び、買い求める島民の表情にも笑顔が広がった。
同様に8日に船が到着した与論島でも、品薄の中での生活が続いていた。学校給食が3日間止まり、「食材がない中での弁当作りは非常に困った。島独自の防災食があれば」と保護者から声が漏れた。一方、スーパーでも地産品コーナーや、島内各地に点在する野菜の無人販売所には地元の野菜が並び、食を支えた。カレーや弁当などを提供する「カスタネット商店」の沖隆寿さんは「与論島は抜港が多く、慣れている部分もある。いつものメニューはできないが、ストックでやりくりした。今回はさすがに食材が底をつくところだったので助かった」と話す。
今回の台風被害は、離島における生活インフラのもろさや災害時の備えといった課題を改めて浮き彫りにした。多くの島民が生活基盤や財産にダメージを受け、一時は途方に暮れる状況にも直面したが、島民同士が声をかけ合い、分け合いながら、誰もが笑みを絶やさずに前を向いて復興に取り組む姿が印象的だった。