与論島の城集落周辺の高齢者による交流と、島の歴史や風習、昔の生活文化の記録・継承を目的とした「昔語り・お茶会」が8月14日、ゆんぬ体験館(与論町立長)で開かれた。
主催は同集落で郷土史研究会の麓才良会長。会話の多くは与論方言で行われ、内容は映像としてアーカイブ保存している。
この日のテーマは「お盆」。冒頭、麓会長は「お盆の祭り方はどの家も同じだと思いがちだが、庭に向かって食台を置く家や神棚の前に供える家など、家ごとに異なっている」と説明した。用意したスライド写真を見ながら、祭る場所や供え物の種類、特にアダンや小さな握り飯、サトウキビの意味について自由に意見を交わした。
今回はゲストとして、介護老人保健施設「風花苑」で働く特定技能外国人の3人も参加した。ミャンマー出身のサンダー・アウンさんは「お盆の風習はないが、ミャンマーでは毎日線香と花を供えてお祈りをしている」、インドネシア出身のエカ・アプリリア・アブドゥル・アジズさんは「インドネシアは多様な民族や宗教があるため、地域や家庭で全く異なる」とそれぞれ話す。墓参りについて尋ねられたインドネシア出身のエプライム・センビリングさんは「クリスマス前など、家族が集まるイベントの前に花を供える」と話す。
島外から嫁いだ参加者は「与論ではお盆の供え物のために海へ魚を捕りに行ったが、東京ではお盆に海へ行くなと言われていたので常識が全く逆だった」と振り返る。「日本は南北に長いのでやり方も違う。親や昔の年寄りがしていたことをまねて引き継いできたので、家ごとに違いがある」との声も聞かれた。
会の終盤にはサンダーさんが与論民謡「サヨサ節」を披露して場を和ませ、地域や国境を越えてお盆や祖先供養の文化を多角的に見つめ直す機会となった。