徳之島町の北部地区の花徳(けどく)、山(さん)、手々(てて)の各集落で6月14日、五穀豊穣と地域の発展を願う豊年祭りが行われ、子どもから高齢者まで多くの参加者が祭りを楽しんだ。早朝から雨が降り続くあいにくの天候の下、雨の影響で当初の予定の変更もあったが、3集落とも無事に祭りを終えた。
豊かな土地に恵まれ、農業が盛んなことで知られる花徳集落では、戦後間もない頃に祭りが始まり、現在に受け継がれている。青壮年を中心としたみこし連の熱気と趣向を凝らした演出で島の名物行事となっており、町内外から多くの見物客が訪れる。
上花徳研修館前広場をスタートしたみこし連と花車の車列は、特別養護施設や道の駅「とくのしま」(徳之島町花徳)などを回り、各所でみこしを大きく上下に揺らす「みこし振り」を披露。見物客から大きな歓声が上がった。途中、行列に加わる人も増え続け、最後の踊りでは大きな輪ができ、祭りのフィナーレを飾った。
伊仙町から参加した牧園珠希さんは「地域の協力、団結、チームワークが素晴らしい。集落外からの参加者も温かく迎えてもらい、とても楽しめた。パパイア漬けがおいしかった。来年もぜひ参加したい」と初めての体験を笑顔で話した。
山集落の豊年祭りは悪天候のため、本みこし、子どもみこしは中止になった。ナゴリ山神社で五穀豊穣を祈願した後、農産物や装飾品で彩られた花車(だし)が集落内をパレード。終了後は、花車に取り付けられた農産物が参加者に配られ、改めて収穫へ感謝する姿が見られた。その後の懇親会では、島唄や踊りが披露され、地域住民の笑顔があふれた。
山集落では、それまで途絶えていた豊年祭りを昭和50年代に復活させ、現在に至っている。当時は地域内にホテルニューオータニなど複数の宿泊施設があり、観光客が参加する光景も珍しくなかったという。
手々集落では、子どもみこしが中心となり、集落内を練り歩く予定だったが、今年は悪天候のため中止に。農産物の即売会と懇親会も手々福祉館で行った。地元の畑で取れた新鮮な農産物が手頃な値段で手に入るため、毎年楽しみにしている人も多く、並べられた品々は短時間で完売した。
中島要(かなめ)区長は「人口の減少で祭りの規模は小さくなりつつあるが、伝統的な行事であり、毎年楽しみにしている人も多いので、これからも続けていきたい」と話す。