与論町那間周辺で4月22日ごろから、国の特別天然記念物であるタンチョウが飛来している。連日にわたって畑や海岸などを移動する姿が目撃され、島民の間で話題となっている。
22日にタンチョウを目撃したエコツアーガイドの町菜都さんは、親戚の畑の草むらでバッタを食べている姿を確認した。町さんは「夫の父親から『鶴が来ている』と連絡を受けて見に行き、遠くから観察した。異常気象の影響でないかと心配もあるが、動物園でしか見られないと思っていたタンチョウが与論島を選んで来てくれたことがとてもうれしい。そっと大切に見守っていきたい」と話す。
エコツアーガイドの打田昌子さんは23日のSNS投稿で、海岸で幅が500ミリリットルのペットボトルよりも広い謎の鳥の足跡を発見し、不思議に思う旨の投稿をしていた。
「奄美野鳥の会」の鳥飼否宇副会長によると、タンチョウは北海道の他、ロシア南東部、中国北東部などで繁殖する大型の水鳥。北海道で繁殖する個体群はあまり移動ないが、大陸の個体群は中国の揚子江河口域や朝鮮半島で越冬する。飛来したタンチョウは、中国北東部などで繁殖する大陸産の個体が迷い込んだ「迷鳥」とみられ、「恐らく奄美初記録」だという。
3月18日には沖縄県久米島に1羽が飛来しており、4月21日には沖縄県今帰仁村上空を飛んでいるのが見つかっていることから、同じ個体が与論島へ飛来した可能性が高いと考えられている。
今後について、鳥飼副会長は「おそらく数日滞在したら、本来の繁殖地へ向けて飛び立つと思う」と推察しており、「遠くから見守ってほしい」と呼びかける。