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沖永良部島・フローラル館で地域シンポジウム 若者と移住者の取り組み紹介

トークセッション「島で働く若者の現在」で20代の在住者を中心に話し合う様子

トークセッション「島で働く若者の現在」で20代の在住者を中心に話し合う様子

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 奄美群島日本復帰70周年記念地域シンポジウム「沖永良部の近現代」が12月9日、沖永良部島のフローラル館(知名町知名)で開催された。主催は鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター。

地域シンポジウムの様子

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 「沖永良部の現在・未来」をテーマに、同島に住む若者や移住者、外国人住民を中心としたトークセッションや、同大生が起業した同島の資源の活用ビジネスの事例、同島にルーツを持つ作家・一色次郎の作品を通して著者と島の関係性を読み解く対談企画を行った。

 トークセッション「島で働く若者の現在」では20代の在住者4人のトークセッションを実施。役場職員やジャガイモ農家、観光協会職員など、さまざまな立場から島の現状や課題を話し、高校卒業と同時に島を出る若者のフォローアップや人材確保の重要性について訴えた。

 コーディネーターを務めた同大4年の宮田陸さんは「地元を良くしようと思うのは人間の本能だと思うが、島ではそれがしっかりと応援されている。鹿児島(本土)が同じようにできるかどうか。自分も就職で地元を離れるが、島に戻ってきて活躍している姿に刺激を受けた」と振り返る。

 会場内ではポスターセッションを通して、学生の研究内容を紹介。同島で自生も含めて多く見られるバナナが奄美大島や沖縄に比べて価格が低いことに着目し、新たに開発したバナナを漬け込んだフレーバーラムなどの加工品ビジネスを紹介した。

 同センター特任助教の日髙優介さんは「3月に行ったシンポジウムで島民の視点がないことが課題にあり、今回はそこに焦点を当てた。両町役場や島出身の若者、島外・国外からの来島者など、多様な人々が抱える問題意識が共有された」と振り返る。

 同大法文学部長の松田忠大さんは「島の若者はエネルギーがあり、自ら島づくりを楽しんでいる印象を受けた。移住者からも島に来て良かったという話があり、魅力を感じて人が集まることが裏付けられているのでは。大学も教育分野で支援していきたい」と話す。

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