岩手県盛岡市在住の歌手でフルート奏者の「伊藤ともん」さんのミニコンサートが6月28日、与論島の茶花小体育館(与論町茶花)で開かれた。
旅行で同島を訪れていた伊藤さんは、本来、26日に出発する予定だったが、台風7号の影響で飛行機が欠航し足止めとなった。しかし、滞在中に親子合唱グループ「ヨロンどれみ」の代表らと交流していたことがきっかけで、急きょ子どもたちに向けたミニコンサートが開かれることになった。
コンサートでは、フルートでボサノバや「春よ、来い」などの楽曲を演奏。曲の合間には南北の気候の違いが話題になり、「与論では1月に桜が咲く」という児童の声に伊藤さんが驚く一幕があった。反対に、伊藤さんが「東北では桜が咲いても雪が降る。ようやく暖かくなるのは5月」と話すと、今度は児童らが驚いた様子を見せるなど、遠く離れた地域同士の交流を楽しんだ。
併せて、伊藤さんの地元・岩手県出身の童話作家、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」にメロディーをつけた楽曲や、自身のアルバムから「sol la mi」なども披露。子どもたちは熱心に聴き入り、声を合わせて一緒に歌う姿も見られた。
終盤には、子どもたちからシーグラスを入れた小瓶が伊藤さんに贈られた。児童らが合唱や踊りでお礼を伝えると、伊藤さんも即興のダンスやフルートの演奏で応じ、会場は一体感に包まれた。
予期せぬ交流を振り返り、伊藤さんは「遠く離れた岩手でも離島でも、子どもたちの様子は変わらない。『子どもは国の宝』という言葉があるが、こうして間近で見ると、本当に宝物だと実感する」と話す。