地域課題の解決や新たな価値を創出する人材育成に関わる取り組みについて、与論町と清水建設、鹿児島大学が連携協定を締結した。与論町役場で12月5日、締結式が行われた。
地域の課題を解決する新たな事業を創り出す人財を育成することを目標とした「イノベーんちゅ創出事業」を2021年度から行っている同町。鹿児島大学は当初より同事業に協働して取り組んできた。
清水建設は2022年度から持続可能な離島地域の実現に向けた取り組みで鹿児島大学と調査・研究を行っている。その中で、視察した与論町の活動に同社が賛同し、三者間の協定の実現につながった。今後は、清水建設と鹿児島大学が与論町の「イノベーんちゅ創出事業」を支援し、これにより連携して人財育成の仕組みづくりに取り組む。
オンラインで参加した清水建設の井上和幸社長は「この度の連携に基づく活動を通じて、地域課題の解決や新たな価値の創出に資する人材の育成、事業創出が継続的に実現する与論モデルが確立されると信じている。このモデルを他の離島や地域にも誇れるモデルケースとして、我が国の持続可能な未来づくりにも生かしたい」と話した。
締結後、清水建設執行役員でビジネスイノベーション室を担当するアメッド・モヒさんによる特別講演と座談会が行われ、イノベーんちゅ講座の修了生・受講生ら15人も参加して熱心に耳を傾けた。アメッドさんは、イノベーションを起こすためのマインドセット(心構え)について自らの実務経験を交えながら講演し、受講生からの質問にも答えた。
同講座修了生の沖道成さんは「普段講座で学んでいることに通じるものがあった。地域の課題解決の原点は「ヒューマン(人間)」なのだと冒頭に言っていた。地域の困っている誰かのために行動して課題を解決するには、ヒューマンの重なり合いが大事だと改めて理解することができた」と語った。