沖永良部島の和泊町で5月31日、郷土研究家の先田光演さんと町内の「石」を巡るバスツアー「神石とヌンギドゥクル」が行われた。
ヌンギドゥクルとは「しまむに」(島の方言)で「怖い場所」を意味する。しま「むに」の語呂合わせで、6月2日の前後にしまむに継承の企画を集中的に行う和泊町島ムニ継承推進協議会主催のプログラム「しまむに週間」の一環で行った。
同ツアーにはハワイから来日した大学院生や、言語研究者、島民ら24人が参加。和泊町役場の町庭をバスで出発し、喜美留の暗川、国頭のウッソーヤマやアンザゴー、西原のウイバントなど、かつての暮らしや伝承を象徴する石を訪ねた。解説した石や場所の数は24を数えた。
国頭字では、海岸沿いの湧水池であり、旧暦の元旦に身を清めて祈りをささげる風習「ショージ」を行う場所である「アンザゴー」を訪問。階段が崩れているためロープを伝って昇り降りしなければならなかったが、参加者のほとんどが足を運んだ。アンザゴーでは琉球石灰岩の下にある基盤岩との境目が見られ、参加者からは「こんな場所や風習があったとは」と驚きの声が上がった。出花字の金比羅神社では「ゥワーマガナシ」と呼ばれる古い神と伝えられる、3つの大きな石から成るかまど石を見学し、参加者らは先田さんの話に深くうなずきながら耳を傾けた。
ツアー後、先田さんは「方言は、地元の風土や民俗などの文化を土台にして生まれるもの。日頃から方言継承の活動に関わる皆さんが、その背景となる歴史や民俗を学ぶことは非常に意義深い」と、今後の文化継承への期待を込めた。
参加した森岡淑子さんは「『神石』という存在を知ったことも含めて、全て新鮮だった。妖怪の話がよく出てきたが、昔の人はそれほど外が怖かったのかと驚いた」と話していた。