与論島で旧暦8月15日に当たる9月21日、子どもたちが「トゥンガトゥンガ」と言いながら各家や商店を巡り、準備された菓子をもらっていく姿が見られた。
この風習は「トゥンガ(餅)モーキャー(儲け)」と呼ばれる伝統習慣。元々は十五夜にお供えした餅を、子どもたちがこっそり持ち帰るものだったという。
同日は多くの庭や軒先にトゥンガ用に準備されたお菓子が置かれ、子どもたちが自転車や徒歩で持参した袋いっぱいに菓子を集めていた。
軒先でくじ引きを準備した男性は「コロナ禍で子ども達の楽しみが減ってしまっている中、少しでも楽しい思い出ができればとくじ引きを準備した。地域の子どもたちが喜んでくれれば」と目を細める。
与論島に移住し子育てをする女性は「地域全体で子どもたちを楽しませようとするいい伝統だと思う。準備する大人たちも楽しむことができるのがいいところ。地域の高齢者の家にも顔を出してみるきっかけにもなっている。今後も続いていってほしい」と話す。