沖永良部島の余多コミュニティーセンター(知名町余多)で5月21日、伝統芸能「余多うちばる」の保存会が発足した。余多うちばるは地域に伝わる村踊りで、同字に実在し美人姉妹といわれた女性と、同町の瀬利覚字の男性の恋と葛藤を歌っている。同字には姉妹が使ったかんざしや墓も残る。
同町が第6次知名町総合振興計画で掲げるビジョン「21の暮らしを大切に、21の未来を創る子や孫が誇れるまちづくり」の実現に取り組む中、同字からも保存の要望があり、同会が発足。今後、町内のイベントや、同字の敬老会や懇親会の総踊りで披露する。瀬利覚字でも継承されている。
会長の元栄淳一さんは「子どもから敬老者まで全ての字民が踊れるように、定期的に練習日を設けたい。さらなる字の盛り上がりを図れたら」と意気込む。
同字出身で、沖縄南城市で三味線を習い、Uターンして3年目の甲斐ほの香さんは「島には、恥ずかしくて表に出てこないが、すてきな唄者がたくさんいる。会の発足が影響を与えるきっかけになれば」と期待を込める。