沖永良部島のメントマリ公園(知名町知名)で2月13日、「冬まつり」が開かれた。1400キロ離れた兵庫県香美町から運ばれた雪を見に約1000人の参加者が訪れた。えらぶ冬祭り実行委員会代表の勘里洋介さんは「来年はもっと雪質が良い状態で持ってきたい」と意気込む。
会場では地元住民の歌やダンスが披露されたほか、雪だるま作り体験コーナーを設置。事前予約制で感染対策を取りながら、親子連れなどでにぎわった。屋台では各店がコーヒーや沖縄そばなどを販売する中、特に人気を集めたメニューがかき氷。スタッフの堀江由合子さんは「雪を触ったらかき氷を食べたくなる。このままだと200個は売れそう」と笑顔を見せた。
子どもと訪れた同島在住の男性は「島のいろいろなところでポスターを見て知った。地元の熊本でも雪は珍しいので、子どもも楽しみにしていた。来年もやってほしい」と話す。
開催のきっかけについて、勘里さんは「島には雪が降らず、子どもたちも見たことがなかったため本土から雪を持ってくることを思いついた。町の後援が入りありがたかった。運送会社や地元の青年団、手伝ってくれる友人たちがいたからこそ開催できた」と感謝の気持ちを口にする。
苦労した点は、40フィートコンテナに詰め込んだ雪を2個のコンテナに移し替える作業。外気に触れると溶けるため人海戦術で取り組んだ。冷蔵コンテナの取り扱いは、自身のお店で販売しているドイツビールの仕入れ経験が活きたという。「来年も再来年も続けていきたい、えらぶの冬は雪が来るということを定着させられたらよいと思う」と期待を込める。