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沖永良部島でエコツアーガイド研修 島民がガイドとして集落を歩いて案内

上平川字の豊富な水場について説明する町田さん

上平川字の豊富な水場について説明する町田さん

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 沖永良部島の上平川字(知名町上平川)と国頭字(和泊町国頭)で10月18日・19日、エコツアーガイド研修が行われた。両日、受講生9人が集落を歩きながら、それぞれの字を案内した。

上平川字の区長が昔の暮らしを説明

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 奄美群島広域事務組合が実施する「エコツアーガイド初期段階育成研修」の一環。奄美群島が2017(平成29)年に国立公園に指定され、2021年(令和3年)に世界自然遺産に登録されたことを踏まえ、ガイドの資質向上や就業機会の創出を目的として、同島のほか、与論島、徳之島、喜界島、奄美大島で実施している。今回のエコツアー研修は実際の催行を想定したものとなる。

 受講生は上平川字と国頭字を、それぞれ案内する2チームに分かれ、本番に向けて内容を話し合い、リハーサルなどを通して準備を重ねたという。当日は各集落のスポットを紹介するほか、地域住民から昔の暮らしを教わり、赤土とハイビスカスの葉を使った昔の洗髪体験などを行った。

 上平川字を案内するツアー「水と巡るヒューの暮らし」に参加した西田真弓さんは「集落の人全員が大蛇踊りの保存会に入っていることや、水場が多く昔は米作りが盛んでわら草履で財を成した人もいたほど恵まれた土地だと知って驚いた」と話す。国頭字を案内するツアー「みじらしゃ!くんじゃいみじあるき」に参加した林香織さんは「暗川(同島の方言で地下を流れる川のこと)の大きさや周りの景色が他の字の暗川と違っていたことや、水が枯渇していたことが印象に残った。赤土とハイビスカスで手を洗う体験は、肌で実感できて楽しかった」と振り返る。

 受講生でサイクリングツアー事業を営む町田実彰さんは「歩きはポイント間の移動に時間がかかり、ガイドの構成力と間を埋めるトーク力が必要と感じた。今後はまち歩きとサイクリングを組み合わせる展開も考えたい」と意気込む。

 講師を務めた西村千尋さんは「まち歩きの魅力は『歩いたら見えてくるものがある』『会話が生まれる』ということ。『歩』という字は上下に分けると『止まるのが少ない』。家族や友人と一緒に歩いて、時には立ち止まってまちを見てほしい」と呼びかけた。

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