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トライアスロン徳之島にパラリンピック選手出場 「パラスポーツの聖地に」

伴走者と共にゴールするパラリンピックアスリート円尾敦子選手(写真提供=NPO法人「パラスポーツサポーター」)

伴走者と共にゴールするパラリンピックアスリート円尾敦子選手(写真提供=NPO法人「パラスポーツサポーター」)

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 梅雨の長雨が明けた6月26日、台風やコロナ禍の影響を受け続けた5年間を経て、「第36回トライアスロンIN徳之島」が開催された。当日は31度を超える気温と灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、総合の部365人、リレーの部46組、総勢480人の鉄人が島の人々の熱い応援を受けながら97キロに及ぶ徳之島の景色の中を駆け抜けた。

スイムゴール

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 アスリートの中に視覚障がいのためガイドと共に泳ぐ選手、タンデムバイクや片方の足だけでバイクをこぐ選手、伴走者と共にランを駆け抜ける選手が参加。NPO法人「パラスポーツサポーター」(大阪府摂津市)はこうしたパラスポーツ選手を支えるガイドやサポーターを支援する団体で、「徳之島をパラスポーツの聖地に」を目標に、練習段階からパラアスリートの機材、荷物運搬ボランティアやレース当日ガイドの育成を行っており、パラスポーツの発展と徳之島の地域経済の活性化を目指している。

 理事長の朝野由貴さんは、全日空在職中に事故により下肢障がいを抱えるも、全国障がい者スポーツ大会の水泳各部門で3年連続優勝、各地パラトライアスロン大会で優勝を重ねるなど一級のパラアスリートで、「障がい者と健常者が共に信頼し合い感動し合える社会を作る」ことを目標にNPOを立ち上げた。障がい者がスポーツをするには移動、歩行、着替え、入浴の補助など3人程度のサポーターが必要で、さまざまな場面で費用も発生する。朝野理事長はこれを制度化し、寄付会員制度として障がい者とサポーターをマッチングするシステムを構築した。

 リレーのスイムを泳いだ朝野理事長は「私たち障がい者は、皆さまのサポートがあって初めて、未知の世界にチャレンジできる。2キロ・スイムは初めてで不安だったが、チームメンバー、地元の方々、大会関係者、そしてパラスポーツサポーターの皆さまのおかげで、徳之島のきれいな海で、サンゴ礁や熱帯魚を見ながら楽しく泳ぐことができた。島を挙げての声援が力となり、障がいがあってもチャレンジすれば乗り越えられると、皆さまに深く感謝している」と話す。

 今後はパラトライアスロンだけではなく、さまざまなパラスポーツの開催を目指し、練習合宿の開催と徳之島側の受け入れ態勢の構築などを整備していく予定。既にトライアスロンや各種スポーツ合宿で名を上げている徳之島を、パラスポーツの中心地としても発信していくため、そのネットワークをさらに拡大していくことを目指す。

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