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徳之島に古民家カフェ「くるみ」 福岡からの旅人夫婦が開く、島の憩いの場に

「おうちカフェくるみ」の店舗責任者・楠見くるみさん(中央)とオーナーの上原正嗣さん(左)、スタッフの沖文子さん(右)

「おうちカフェくるみ」の店舗責任者・楠見くるみさん(中央)とオーナーの上原正嗣さん(左)、スタッフの沖文子さん(右)

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 「おうちカフェくるみ」(伊仙町伊仙、TEL 090-6300-1129)が徳之島伊仙町の古民家にオープンして、4月1日で2カ月がたった。

古民家の壁と水回りのみリフォームした店内。プライバシーも保たれている

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 コロナ禍前から国内の観光地巡りが趣味だった福岡市在住の楠見さん夫婦は3年前、石垣島への旅行を予定していたが、コロナ禍で石垣島行きを見合わせる代わりに、観光地としてはあまりメジャーではないエリアに足を伸ばそうと初めて徳之島を訪れた。

 2人は伊仙町の「民泊結」に長期滞在した際、向かいで営業する「焼肉牛皇」に足しげく通い、店主の上原正嗣さんと懇意になり、徳之島での飲食店経営の実情を聞くうち、「この島で若い人たちがデートで行きたくなるような空間を作りたい」と飲食店への興味が湧いたという。

 店舗責任者の楠見くるみさんは福岡でアパレルなどの仕事を経験していたが、飲食業は未経験。地元・福岡の友人からは、移住してすぐの開店に対して当初は反対された。そうした中、上原さんやカフェを始めたばかりの友人の助言、助けもあり、移住と同じタイミングで開店準備に入った。上原さんから古民家の賃貸、営業許可、メニュー、島の利用客の動向など細かなアドバイスをもらった。

 これまで広告は打たず、口コミのみで営業している。当初は「焼肉牛皇」の客の紹介が多かったが、気に入ってくれた客がSNSで発信するなどしているという。現在はランチタイムからディナータイムまで営業し、家族連れから若い人、リモートワークをするノマドまで、地元の集いの場になっている。

 楠見さんは「福岡に徳之島の会があり、人のつながりがとても強く、うらやましいと思っていた。SNSの効果で2カ月目に入って明らかに遠方からの方々が増えた。島内のお客さんは、よそ者の私たちにも温かく接してくれ、広告も打っていないのに、こんなに多くのお客さんに来てもらって感謝しかない」と?を緩ませる。

 古民家をリフォームした「くるみ」は、プライバシーが確保できるよう間仕切りがあり、当初の目標でもある「伊仙町でもデートができる空間」を提供している。今後はフランスでオーガニックワインを造っている友人からワインを仕入れ、夜のワインの品ぞろえを充実させるほか、「テイクアウトのスイーツやドリンクメニューにも力を入れていく」と意気込む。

 営業時間は11時~21時。木曜定休。

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