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沖永良部島で鹿児島大学教員と学生らが研究発表 島の近現代を解く

西村さんが沖永良部島の外国人労働者の現状について発表する様子

西村さんが沖永良部島の外国人労働者の現状について発表する様子

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 沖永良部島の和泊町役場・ゆいホールで3月27日、研究発表会「沖永良部の近現代」が開催された。主催は「鹿児島の近現代」教育研究センターと鹿児島大学の澤田ゼミ。発表は同ゼミの学生らによる大学生の部と、教員らによる研究者の部の2部構成。

研究発表の様子

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 同大4年の中吉真仁さんは「給食センターの島内産品使用率」のテーマで発表。輸送コスト上昇や脱炭素などを念頭に、自給率向上の施策に養豚を提案。中吉さんは発表後地域住民との意見交換を通し、「他の島でも同じ食文化があるなどと教えてもらった。春から農協に就職するので経験を生かしたい」と意気込む。

 そのほか、学生からは「公用車の効率的・効率的マネジメント」「少人数小中学校が抱える課題と今後の調査計画」「島バナナを使ったビジネスモデル」などの発表があった。

 研究者の部では、同大准教授の澤田成章さんが給食センターの島内産品使用率の現状と、減少している背景について発表。特任助教の日高優介さんと鈴木優作さんはそれぞれ、同島が昭和中後期に多くの医師を輩出したこととその背景、同島にゆかりがある太宰治賞受賞作家、一色次郎の島に対する心境の変化について発表した。

 同大教授で同センター副センター長の西村知さんは同島の外国人労働者と展望を発表。同島内のフィリピン人コミュニティーでサババナナなどの母国で消費される食材が流通する状況を踏まえ、食を通じた地域交流や、外国人コミュニティーを市場と捉える「ディアスポラビジネス」の可能性を訴えた。

 西村さんは「研究者によって意義はそれぞれ異なるとは思うが、今後、社会に対して具体的なアクションを起こしていければ」と意気込む。

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