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徳之島高校生が地元黒糖焼酎会社と地域発リキュール完成 伊仙町長を表敬訪問

大久保明伊仙町長(後列右から2番目)へ商品完成報告のため町役場を訪れた徳之島高校生と松永酒造場の松永晶子社長(後列左から2番目)

大久保明伊仙町長(後列右から2番目)へ商品完成報告のため町役場を訪れた徳之島高校生と松永酒造場の松永晶子社長(後列左から2番目)

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 クラウドファンディングによる92万5,000円の資金を元に、自分たちで栽培したローゼルとバタフライピーを使ったリキュールを完成させた徳之島高校生物生産系列の生徒が、地元黒糖焼酎会社「松永酒造場」(伊仙町阿三)社長兼杜氏(とうじ)の松永晶子さんと共に3月14日、大久保明伊仙町長を表敬訪問した

町長室で和やかに報告を行う徳之島高校生

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 プロジェクト開始に当たり、生徒らは昨年7月、クラウドファンディングで協力を呼びかけた。地元企業との協業による地域活性化、栽培から販売までの総合的な学び、資金獲得の実践などを目標に掲げ活動。生徒たちは地域を巻き込み、動画制作、デザイン編集などを体験し、商品化のプロセスを学ぶ過程で自分たちの島を見つめ直す学びの機会を得た。

 指導に当たった亀澤聡教諭は「ローゼルの美しい赤色が2週間で黄変してしまうのが課題で、かつ添加物なしで挑戦してきたものの、最終的には紫色素を入れることで常温での保存、色の保持が可能となった。冷蔵庫では6カ月持つことも実証できた」と話す。

 松永晶子さんは「バタフライピーは水出しなら青く発色するが、焼酎につけると紫になる。そこを元々の青色で抽出し、かつその色を固定する方法を見いだすことができた。実際には難しいプロセスだった」と商品開発の苦労を振り返る。

 同校2年の正岡大暉さんは「3年生が取り組んでいるのを見ていて難しそうだと思っていたが、次は自分たちの番なので頑張りたい。来年度はパパイヤのオリーブオイル漬けにも挑戦する」と意気込む。

 大久保町長は「こんなにカラフルなリキュールを見て、その美しさに驚いた。手作りのプロセスでは大量生産は難しいと思うが、そこに付加価値をつけられると思う。定番化してほしい。誰もやったことのない試みを徳之島高校生が成し遂げたのが何よりも素晴らしい」と表情をほころばせた。

 徳之島高校総合学科生物生産系列には次年度、例年より多い14人の新入生が入学予定で、現2年生を中心に先輩たちの取り組みを引き継ぎながら、挑戦を続けていく予定。

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