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沖永良部の郷土研究会会報誌が100号目で幕 「次の世代に託したい」

(右から)会長の先田さん、会員の伊地知さん、藤井さん

(右から)会長の先田さん、会員の伊地知さん、藤井さん

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 沖永良部郷土研究会の会報誌「えらぶ郷土研会報」57号の発行作業が3月12日、沖永良部島の和泊町歴史民俗資料館(和泊町根折)で行われた。

発行作業に取り組む先田さんと伊地知さん

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 今号で同会の会報誌は前身の「えらぶせりよさ」から数えて通算100号で、終刊となる。同会の先田光演会長は「研究する先輩たちがいなくなり、私も80歳という年齢だし、ここでいったん区切りを付けたい」と終刊の背景について明かす。

 同会は1998(平成10)年1月、城ケ丘中学校校長だった先田さんと沖永良部高校の出村卓三教諭を中心に23人の賛同者が集まり発足。同島の民具解説を表紙とし、例会での発表者らの資料を束ねる形で同誌の発行が続いた。これまで作成したページ数は約1500、発表者は延べ約400人に及ぶという。先田さんが同館館長に就任後は、同館と連携を取る形で研究内容も展示した。

 コロナ禍で例会が開けず、2020年2月を最後に中止。会報誌も90回目を最後に1年間発行できずにいたが、残り10回で100回を達成できるという理由から再開して今号に至った。先田さんは「これからどうするかは次の世代。島には今、字を書ける人も絵を描ける人もいる。同人誌を作るなり、いろいろ考えてみてほしい」と期待を込める。

 同館専門員の伊地知裕仁さんは「郷土研究会は島の歴史文化の真価を深めることに寄与してきた。会報誌の終刊を区切りとして、一つの役目を十分に果たしたと思う。それらをどう生かせるかが次の世代の課題」と話す。

 同誌は会員を中心に、島内外へ約70部を配布する。

 「えらぶ郷土研会報」57号は同館内「えらぶ郷土研究会」事務局で入手できる。

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