与論島の劇団「野生の島人」が10月23日、砂美地来館(与論町)で第4回公演を行った。
公演のタイトルは「波打ち際の島人たち」。島のルーツや精神世界、時代に翻弄(ほんろう)され続けた島人たちの思いを、オリジナル楽曲や与論島の民謡、踊りで表現し、観客を魅了した。
脚本、演出は劇団主宰の沖隆寿さん。4月28日に琴平神社(与論島)で行われた沖縄祖国復帰50周年を記念した野外イベントで披露した作品を、劇場向けに再構成した。
同劇団は2019年に発足。文化庁の事業を活用し、世界的演出家の小池博史さんの指導を受けている。
小池さんは「今回の舞台は、音楽が主体となりながら、演劇、踊りが一体となり、なおかつ与論島の伝承、歴史が色濃く入っている。その点でとてもオリジナリティーがあり、与論島から世界的にも誇れる形になってきている」と話す。
観劇した島民の一人は「珍しい楽器類が登場したのがとても新鮮だった。歌と音楽を合わせることで、ストーリーが理解出来なくても体感で素晴らしさを感じることができた。普通の劇だと思って来ていたのでとてもびっくりした」と驚きの表情を見せていた。
10月29日・30日には、同じく小池さんの指導を受ける徳之島の劇団「海と大地」と共に、徳之島文化会館(徳之島町)で行われる「徳之島・与論島 演劇祭」に出演する。開演は、29日=19時、30日=13時30分。料金は、前売り=1,000円、当日=1,500円。問い合わせ先は徳之島文化会館(TEL 0997-83-1682)