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与論島の地域おこし協力隊4職種同時募集 第2弾は、「やさしい地域づくり専門員」「しまのリハビリ専門員」

提供:与論町 制作:奄美群島南三島経済新聞

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視界いっぱいに広がる碧い海。
ざざぁと揺れる緑色のサトウキビ畑。
今にも降り注いできそうな満天の星空。

そんな自然溢れる与論島(鹿児島県与論町)がこのたび、地域おこし協力隊を4職種同時に募集する。分野は、新しい事業に挑戦する人を支援する「人材育成」、与論の高齢者の暮らしを支えるケアマネジャーや訪問リハビリスタッフなどの「介護」、HPなどの情報ツールを使って地域の情報共有を図る「広報」だ。奄美群島南三島経済新聞では、その具体的な業務や取り組むべき課題、仕事の魅力を取材した。

第ニ弾は、島のお年寄りを見守り支える「介護」の現場から。

今、高齢化社会をどう支えるかはどこでも喫緊の課題だ。

与論島にはかねてより「神棚に祀られているご先祖様に見守られながら最期を迎える」という風習がある。2019年の在宅死率は全国平均の13.6%に比べて40.0%という高さからも、その文化の濃さが伺える。今回の事業では、高齢者介護の支え手としてだけでなく、そうした文化の伝道師としてやさしい地域づくりの担い手となることも期待されている。

そこで与論町では、お年寄りが自宅で安心しながら過ごせる地域づくりを一層加速するべく「やさしい地域づくり専門員(ケアマネジャー)」と、リハビリをサポートして彼らの自立を促す「しまのリハビリ専門員(訪問リハビリスタッフ)」を募集する。

最期まで家で過ごしたい…与論の介護事情

与論島を含めた奄美群島の島々は先祖崇拝の教えが根強いこともあり、お年寄りを大切にする。しかし、地方の過疎化が叫ばれる昨今において少子高齢化は深刻で、とにかく人手が足りず、そんな「大切にしたい」という思いやりの心すら常に報われるとは限らない。

与論町の入所型介護施設のひとつ、風花苑。

介護施設もすぐに入所できる訳ではないものの、「施設ではなく家で過ごしたい」という想いを持つお年寄りも多いが、そのことが支える家族の希望と必ずしも合致する訳ではない。そうした背景もあり、同町健康長寿課の坂元さんは「与論町は在宅介護を推進したい」と話すが―

「『訪問リハビリスタッフ』と『ケアマネジャー』が足りません。町民の中から育成しようと動いていますが、まずは即戦力がほしいというのが実情です」

訪問リハビリスタッフは名前の通り、居宅を訪問してリハビリをサポートする仕事だ。

与論町の在宅介護サービスは”通所型”が中心。しかし、コロナ禍の影響も重なって、慢性的にキャパシティが足りていない。また、そもそも自宅で寝たきりの状態で通えないという人にもリハビリは当然必要で、そうした手の届いていないところがまだまだある。

そこで今回、理学療法士か作業療法士の資格を持つ「リハビリのプロ」を募集する。

利用者の自宅でリハビリを行う様子

もうひとつの募集職種は、ケアマネジャー(介護支援専門員)だ。

介護保険サービスを利用するときには、利用者に応じて「ケアプラン(利用者・家庭の状況や環境を考慮し提供すべき介護サービスの目標と内容をまとめた計画書)」を作成し、自治体や介護サービス事業者と連絡や調整などを行う必要がある。ここで、ケアマネジャーの存在は不可欠だ。

利用者の状態を確認するケアマネジャー

作成したケアプラン

『訪問リハビリスタッフ』と『ケアマネジャー』、このふたつの職種は関わりがとても深い。訪問リハビリスタッフが利用者の状態や居宅の環境を踏まえてリハビリのプログラムを提案することもあれば、ケアマネジャーは訪問リハビリスタッフがいるからこそ幅の広いケアプランを作成できる。いわば、持ちつ持たれつの関係だ。

しかし、特にケアマネジャーは、地域の介護サービスを把握できないことにはケアプランを作成しようがない。そこで1年目は役場内にある与論町地域包括支援センターを拠点に、事業所などに顔を出してコミュニケーションを図ってもらい、2年目から事業所に活動の拠点を移して実践を深めてもらうことになる。さらに活動の最終年度となる3年目には、「ともに地域の一員として協働した活動をもとに、島を語り合えるパートナーシップ関係を目指せたら」と坂元さんは語る。

ここで、与論島の仲間をご紹介したい。

これは「与論町地域包括ケアシステム一覧」だ。

お年寄り、ひとり親、障がいを持つ方など、誰かの手が必要な方々を支える上で、与論町にどのようなプレイヤーがいるのかを可視化したものである。作成者は与論町社会福祉協議会の末永さん。新天地に来たケアマネジャーが、まずは知るべきものが網羅されている。これが、あなたにとっての活動の羅針盤となることだろう。

地域のお年寄りは地域のみんなで支える

「介護や医療施設だけでお年寄りを支えようにも人数が足りない、だから地域全体で支える。与論町は、介護や医療に関わる施設以外にも、こども食堂や、お年寄りの見守り隊、精神障がい者の方を支えるサロンなどもあって、そうした事業所を一枚にまとめたものです」

与論町社会福祉協議会所属の末永さん

末永さんは、昨年4月から与論町社会福祉協議会に所属する「在宅支援人材育成専門員」。そのミッションは、島の医療、介護体制の充実を目指し、組織間のパイプ役となり、人材育成を行うこと。着任後間もなく末永さんは、「まずは事業所の可視化が必要だ」と考え、前述の「与論町地域包括ケアシステム一覧」の作成に取り掛かった。

実際に、ここに書かれている事業所間で連携を図ったこともあるという。

「徘徊などでときどき家に帰れなくなる男性が島におり、病院やデイサービス、訪問介護などの町内8事業者が集まってケース会議を行い、みんなで連携してその方の生活をサポートすることになったんです。それから間もなく、その方は軽い脳梗塞を起こしたのですが、ネットワークが構築されていたおかげで『様子がおかしい』と気づいた時点ですぐに病院と連携が取れ、早めの受診につながりました」

このときも、ケアマネジャーの方が最終的なとりまとめを行ったという。

事業者間で打ち合わせを行う様子

また、担当のケアマネジャーがあるとき、「(支援が必要となる)この人を見かけたらトラブルに遭わないか見守ってあげてほしい」と町民に伝えたときに返ってきた言葉がうれしかったという。

「『自分たちもいつか支援が必要になったとき、こんな風に対応してもらえると思うととても安心。応援している』と言ってもらえて。最近は与論も、周りの人たちが目を配って、(お年寄りに限らず)地域の人たちを地域で見守るという空気が生まれていると思います」

「与論島のお年寄りは、施設に入ることを竜宮城に行くように、人生のゴールと考える人も多い」と末永さんは話す。しかし、慣れ親しんだ自宅で、ご先祖様に見守られながら最期を迎えるという選択肢もちゃんとある。自分でできるだけのことをやりながら、地域で生活していく。そのことを知ってもらって健康に生活していただくこと自体が、島全体を守ることにつながる。

相手に合わせられる柔軟性、本音を引き出す力。

健康長寿課の坂元さんは、2職種ともに必要なスキルは”コミュニケーション力”だと話す。

「地域には当然のことながらさまざまな方がいらっしゃいますし、島ならではの豊かな文化も多くあります。そのため、さまざまな人や環境に合わせられる柔軟性を持った人がよいと思います。また、お年寄りに限った話ではないですが、自分を出せない人もいるので、本音(利用者の困りごと)を引き出すコミュニケーション力が必要です」

また、現役ケアマネジャーの髙田さんも教えてくれた。

「与論の人は人との距離感が近くて、仲良くなれば家族同然。やさしい方が多くて、ほかの地域に比べ入って来やすさはあると思います。方言などの言葉のやりとりでの難しさを感じることもあるかもしれないけど、安心して来られてください。それに、利用者さんも標準語で話してくれたり、教わることもあったり、それもまた楽しいですよ」

リハビリを行う利用者とリハスタッフ

任期後は、事業所に所属して働くも、独立も、ほかの選択も自由だ。ただ、いずれを選択するにせよ、3年間で利用者や介護関係者との丁寧な関係をつくっていく過程そのものが、あなたにとってかけがえのないものとなるだろう。

また、地域おこし協力隊の制度には、研修への参加などでの出張予算がある。地域おこし協力隊のマネージメントを行う総務企画課の山さんは、「与論町としては積極的に活動を支援していくつもりだ」と語る。

介護から「しまのやさしい地域づくり」を

健康長寿課の池田さんは、介護現場の枠を越えて島全体を広い視野で捉えてほしいと話す。

「与論町は、在宅介護を進めながら高齢化社会をどう支えるか考えるという大事なときにあります。介護人材というより、介護分野から『地域づくり』に関わっていくおもしろさを感じてもらえたらいいなと思います。地域おこし協力隊として私たちに見えないところ、こういうのがあったらいいなというところ、強化した方がいというところを一緒に考えていけたら」

最後に末永さんが、与論島だからこそ実現できる働き方とその将来像を話してくれた。

「大きな組織に比べて、島では自由にやれる、一人一人が代表です。ぜひ介護という分野でリーダーシップを取ってやってほしいと思っています。利用者さんが望む場所で、寝たきりをなくして、ご飯もどんどん食べられるようになり、じっと座っている人が歩き始める。そんな島にできたらいいですね。理想とする医療・介護・福祉をみんなでつくりあげていきましょう」

健康長寿課地域包括支援センターの職員のみなさま(左から、森さん、池田さん、坂元さん、裾分さん、髙田さん)

次回、第三弾は12月19日、広報「しまづくり広報」の募集について紹介します。
詳しくは、与論島地域おこし協力隊ポータルサイト「ヨロンとはたらく仲間たち」をご参照ください。

問い合わせ内容

ヨロンとはたらく仲間たち

また全職種の募集要項及び応募方法は、与論町ホームページのこちらのページをご参照ください。

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