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与論島の地域おこし協力隊4職種同時募集 第1弾は、社会起業家を育む「イノベーんちゅ支援員」

提供:与論町 制作:奄美群島南三島経済新聞

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視界いっぱいに広がる碧い海。
ざざぁと揺れる緑色のサトウキビ畑。
今にも降り注いできそうな満天の星空。

そんな自然溢れる与論島(鹿児島県与論町)がこのたび、地域おこし協力隊を4職種同時に募集する。分野は、新しい事業に挑戦する人を支援する「人材育成」、与論の高齢者ならではの暮らしを支えるケアマネージャーや訪問リハビリスタッフなどの「介護」、HPなどの情報ツールを使って地域の情報共有を図る「広報」だ。奄美群島南三島経済新聞では、その具体的な業務や取り組むべき課題、仕事の魅力を取材した。

第一弾は、島の未来を支える「人材育成」支援から。

海洋汚染(漂着ゴミ)、少子高齢化、産業衰退、離島にはさまざまな課題が山積する。が、だからこそ!日本のどこより課題に敏感で、タフな環境が明日のプレイヤーを生む。

その中で与論町は、「与論島と自分の未来を創造するために新しい事業に挑戦する人材」を、「イノベーション(変革)」と島の方言で人を表す「ぴちゅ」を組み合わせて『イノべーんちゅ』と呼び、その育成・確保に向けて様々な取組を推進している。

それを主体となって進めているのは、2021年度に設立された官民連携型の組織「イノべーんちゅ創出実行委員会」だ。そこが今、未来の与論を一緒に盛り上げる「イノベーんちゅ支援員」を募集している。

島の未来を創造する地域課題解決型ビジネスコンテスト

与論町で2022年2月27日、あるビジネスコンテストが初開催された。

方言の継承を目的にコメディタッチの寸劇を動画配信する…。
看護の経験を活かして高齢者に寄り添い「貯筋」をサポートする…。
出産や受験などで島外に出るときに専用宿を提供して経済負担を軽くする…。

そんな自らの社会課題解決型のビジネスプランを壇上で発表する16人は、与論島で事業を実践するという想いを共有した多種多様な未来の島おこし人材たちだ。年代も性別も仕事もバラバラ、制服姿の中高生もいる。イベント名は「与論イノベーんちゅAWARD2022 ワイたんDAY」。それは与論島の未来を育む新しいプロジェクトのお披露目でもあった。(ちなみに「わいたんでい」は与論の方言で「びっくりした」ときに発せられる言葉だ)

イノべーんちゅAWARD2022の様子。与論の未来を創造する「イノべーんちゅ」たち。

また、与論島の地域課題を「資源」として、それらを解決する起業家を10年間で100人育成することを目標に、専門家が未来を自らデザインするためのマインドセットや実践的な方法論を伝える「イノべーんちゅ講座」も開催された。本講座はイノべーんちゅAWARDと連動しており、同イベントの出場者の多くは、その手ほどきを受けて自ら学びを深めた第一期生たちだ。

それも、これも、すべては「与論島と自分自身の未来を切り拓く」力を身につけてもらうため。きっかけは「島の未来への危機感」だったと、プロジェクトの発起人であり同実行委員会委員長の田畑香織さんは振り返る。

危機感からのスタートは次の段階へ

「与論島にいると変化や相手からのフィードバックを嫌うカルチャーを肌で感じる。でも、学びつづけるスキルとスタンスを持たないと、与論島民が変化の激しいこの時代を生き抜くことはできません。だからこそこの島に未来において人材育成が肝になると思っています」

イノベーんちゅ創出実行委員会の田畑香織委員長

危機感のはじまりは2016年。島から飛び出し、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を卒業後、教育業界に携わってきた田畑さん。帰郷した際に地元の与論高校でゲスト講師として授業を行った際に、都市部からの大きな遅れを実感、2年後にUターンして中高生向けの学習塾をはじめた。

周りから帰ってきた理由を聞かれるたびに感じている危機感や未来への取り組みについて話していると、同じ課題意識を持つ人たちが自然と集まるようになり、仕事や出身地、そして官民の枠も超えて、イノベーんちゅプロジェクトの構想が生まれていったという。

「やりたいことを言ってたら、今の講座で講師をしている方も含めた強みの異なるメンバーが集まってきました。最初から『イノベーんちゅ』というゴールがあったのではなく、あれもある、それもある、こういう方法もあるのではないかと話し合い、実践しながら、フィードバックを活かして小さな改善を続け、こうして現在の形まで創り上げてきたんです」

2021年度イノべーんちゅ講座の様子

2021年度から始まった「イノべーんちゅ講座」。一期生には、看護師、経営者、神主、中学生、高校生、ミュージシャンなどと、まさに多様性あふれる14人が参加、AWARDで受賞は逃したものの、講座修了後に発表した構想を社会実装すべく活動を継続するメンバーも少なくない。

一期生の菊凛太郎さん(右端)が、方言を使った寸劇の動画を収録する様子。

2022年度二期生のワークショップをサポートする一期生の野口貴子さん(中央)

イノべーんちゅ人材育成プロジェクトの始動から2年目に入り、昨年度の受賞者への伴走支援、修了生とのコミュニティづくりなど、さらなる盛り上がりを見せている。だからこそ今直面する課題が、「活動を支える人手不足」だ。

現在、事務局は与論町役場総務企画課の山眞實(まこと)さんが担当している。しかし、イノベーんちゅプロジェクトの盛り上がりに伴って関係者が増え、それと平行して調整することも増大する中で、「各種プロジェクトを推進していくためには、事務局機能を強化することが重要だ」と山さんは言う。今回募集する地域おこし協力隊の第一弾は、そんな山さんと協働するプロジェクト事務局のメンバーという立場となる。

その業務はどのようなものか、山さんに伺った。

与論町総務企画課、山眞實さん。

調整役に求められるコミュニケーション

「業務は大きくふたつ、ひとつめは関係者との調整です。委員会は5つのチーム、『創出講座』『AWARD(ビジネスプランコンテスト)』『伴走支援』『広報・ブランディング』『卒業生ネットワーク』に分かれています。講座受講生とのやりとりはもちろんですが、講師との日程調整や要望確認、『AWARD』に出ていただく審査員の方への依頼と調整、広報チームとの連携。町の事業なので、会場を押さえることを含め行政との調整なども出てきます」

そしてもうひとつの大きな業務が、年に一度の『AWARD』の開催。これは5つのチームの中でも調整先ではなく、事務局が主体となって企画運営を行うものになる。「『AWARD』は与論島の一大イベントになっていくので、達成感も感じられると思う」と山さんは語る。

そんな環境と業務に求められる人物像について、委員長の田畑さんが話してくれた。

「コミュニケーションスキルが高く求められますね。受講生も含めて関係者は10代から70代までと年代も幅広く、また立場もそれぞれ異なる。なので、相手の立場になっていろんな人と衝突することなく、経験がなくても配慮を巡らせることができる方がよいと思います」

調整業務が多いことから、リモートワークができるだけのITリテラシーや事務処理能力、また誤記などのミスが頻発しないといった正確性は一定以上のレベルが必要となる。

その上で、同実行委員会が目指す未来は「一人のスーパーマンではなく、多様な地域の人材が自ら地域課題を解決する社会」。だからこそ講座受講生を中心に年代のほか性別も仕事も、また出身も多様性あふれる面々だ。だからこそ、そんな彼らとやりとりする事務局にはコミュニケーションスキルが求められ、いろんな人と衝突しないという言葉にそれがよく表れている。

ディスカッションを行うイノベーんちゅ講座受講生のみなさん(中央は一期生の沖道成さん)

表舞台に立つイノベーんちゅたちを、裏方に回ってシッカリと支える。その意味では、自分自身が表舞台に立つというよりも、自分が関わった人たちが活躍することを喜べる、サポータータイプが求められるだろう。その人物像について、山さんは「植物に水をあげて花が咲くのを喜ぶ人」と喩えた。

魅力は、地域課題と起業の学び、幅広い人脈。

引き続き、与論の未来を明るく変える100人の社会起業家たちを輩出していく。そんなイノベーんちゅ創出実行委員会の事務局という熱源で働く魅力について、山さんはこのように説明する。

「講座をそばで見られるし、受講生以上に学べると思います。イノベーんちゅ講座修了生という、島を変えていこうという仲間ができることも魅力です。また、全国各地の地域課題の解決に関わる先進事例を視察して学んでもらいたい。フットワークは軽い方がいいですね」

現在二年目に入ったイノベーんちゅ創出実行委員会も、持続可能な形を目指して法人化を視野に入れているという。任期後に引き続きその事務局、事務局長として勤続する可能性もあれば、自分もまた新たにイノベーんちゅとして社会起業家としての道を選ぶことも自由だ。

与論の未来をいっしょにつくろう

最後に、委員長の田畑さんから応募を考える人にメッセージを送った。

「与論島の未来をつくる仕事です。関わる人たちはみんな、生産的というか革新的というか、とにかくオープンマインド。また、将来的に起業したいという野心がある人なら仕事をしながら起業について学べるし、人脈を持っている人たちがいっぱいいる。応援しますよ」

イノベーんちゅ講座第二期生たちと関係者のみなさん

次回、第2弾は12月5日、介護の2職種「ケアマネージャー」と「訪問リハビリスタッフ」の募集について紹介します。つづく第3弾(12月19日公開予定)では、広報担当者の仕事についてレポート予定です。

詳しくは、与論島地域おこし協力隊ポータルサイト「ヨロンとはたらく仲間たち」をご参照ください。

お問い合わせ内容

ヨロンとはたらく仲間たち

また全職種の募集要項及び応募方法は、与論町ホームページのこちらのページをご参照ください。

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