徳之島の環境や文化に触れる実習が11月27日・28日の1泊2日で行われた。
鹿児島大学の「奄美教育プログラム」の一環で、奄美群島の自然と歴史に根ざす文化(環境文化)の価値を生かした新たな仕事を生み出せる起業家・職業人を支援する教育プログラムとなっている。
実習には島外からも多くの受講生が参加し、徳之島の歴史や自然、人々の暮らしについて熱心に学んだ。
世界自然遺産の本質的価値である生物多様性を育む亜熱帯照葉樹林の森を体験する目的で自然遺産コアゾーンである「剥岳」にガイドと共に入り、希少な動植物を観察した際、普段は入れないエリアに足を踏み入れることに参加者から感動の声が聞かれた。
徳之島町の母間集落でのフィールドワークでは「暮らしと水の関わり」に触れながら、大火事の際に身を呈して集落を守ったオオウナギの伝説「ウナンギャナシ(鰻神)」の川でガイドの説明に熱心に耳を傾けた。地域住民との対話の時間には「自然保護の取り組み」「自然と人の関わり」について実際に課題に直面している住民と意見を交わした。
その他、夜光貝細工の歴史や11世~14世紀に紀徳之島南部で作られたカムィヤキについて学ぶなど一般的な観光では触れられてこなかった知見を深めた。
参加者からは、「何もないと思われている場所でも、学術的な知識を学ぶととても面白い。今後は自分たちもしっかり学び伝えられるようになりたい」との声も聞かれた。