NPO法人「UNiSON(ユニゾン)」キノコにじいろクラブ(伊仙町木之香)が10月24日、徳之島交流広場ほーらい館(伊仙町伊仙)で「第1回徳之島子ども支援学会」を開催した。
当日は、作業療法士、音楽療法士、特別支援教諭、保育士ら一人一人に合わせて「生きる力」を育むプログラムを提供している同NPOが、徳之島の医療と福祉を守る会の後援、伊仙町の支援を得て徳之島で初めての障がい児支援をテーマとした講演会となった。
午前・午後と2部構成で行われ、午前のシンポジウムは大久保明伊仙町長をはじめ児童教育従事者など4人と同NPO代表理事の芳村潔政さんが登壇。「発達障がいって誰の問題? あなたは何ができる?」のテーマで、専門的な知識を交えて徳之島における障がい児支援の現状や体験、課題などについて意見を交わした。一般にも公開した午前の部は、事前に申し込んだ約80人が参加した。
午後は、保育士・幼稚園教諭・小中高教諭が対象。パニック障がいの経験を持つ任意団体「Rokumei」の代表・巽麻衣子さんが実体験など紹介した。保育園や幼稚園、学校で行っている取り組みや事象などの報告発表もあり、会場参加者とも積極的な情報交換が行われた。会場を3ブロックに分け、講演会以外にも音楽療法体験や障がい者への思考整理術や発達障がいに必要な栄養学など、さまざまなプログラムを紹介した。会場ロビーには、同NPOが支援する児童や生徒が描いた絵画など、同施設を利用する人も観覧できるよう展示した。
芳村さんは「専門的な知識や経験を持つ人材が多くいるのに、今まで横のつながりが無かった。この学会はそのつながりを作っていくことがテーマ。今後このつながりを専門職だけでなく一般にもつなげていき、難しく捉えるのではなく、障がいが個性だったり、自己主張だったりもっと多様性を認めて身近に感じれる環境を作っていきたい」と意気込みを見せる。