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沖永良部島の民家の庭でメジロが巣作り 15日間の成長を住民見守る

巣の中でひしめき合う4羽のひな鳥

巣の中でひしめき合う4羽のひな鳥

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 沖永良部島の知名町下平川に住む沖良子さんは6月25日、自宅の庭で水やりをしていた際にメジロが飛び立つ様子を目撃。その直後に巣と卵を発見し、巣立ちまでの15日間、4羽のひな鳥の成長を見守った。

沖良子さんとメジロの巣

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 6月28日に巣の中で4羽の卵がふ化。最初はピンク色の小さな体で心臓だけがピクピクと動くのみだったが、日ごとに成長し、やがて黒い羽毛が生え、次第に黄色いくちばしも生えてきた。沖さんは紙に「元気そうにしているので安心」などと成長を記録し続けた。

 沖さんが知人にメジロの話をしたところ、「親鳥は警戒心が強く、近づくと来なくなるので、そっとした方がいい」という助言を受け、餌や水は離れた場所に置く程度で見守り続けた。7月6日には最初の1羽が巣立ち、残る3羽も順次巣立っていった。

 7月9日、最後の1羽が庭を離れたことで、沖さんは4羽全ての旅立ちを見届けた。翌日、庭を見ていたところ、メジロがイトバショウの葉にとどまっている姿を見かけた沖さんは「まるで別れを告げるかのようだった」と振り返る。

 沖さんは巣立ちの様子を動画や写真で記録し、大学時代の友人や地域の知人、地元の高校生にも共有。「自然の力に癒やされた」「メジロは幸運を象徴するらしい」など多くの反響が寄せられた。沖さんは「(メジロの巣立ちを見届けたのは)73歳で初めての出来事だった。キムドゥミー(島の方言で『心の目』)が開いていれば、身近な幸せに気づける」と話す。

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