
沖永良部島の「おきえらぶフローラルホテル」(知名町知名)が6月6日、施設・周辺情報をまとめたウェブページ「ウェブガイド」を公開した。情報は館内案内とタクシーなどの移動手段、買い物とATM、飲食店、観光スポットの4つのジャンルで紹介。施設内で案内するQRコードからアクセスする。
制作のきっかけは、同ホテルのフロント・営業担当の田中友子さんが対話型AIのChatGPTに「離島のホテルのマーケティングについてアイデア出しの相手になってほしい」と相談したこと。「怒濤(どとう)の提案を受けて驚いた」と振り返る。提案の中から担当のフロントだけでできる作業に絞り込み、施設・周辺情報の提供に落ち着いた。ページはオンラインでメモなどが共有できる「Notion(ノーション)」を使っているが、これもChatGPTの提案によるもの。田中さんは初めて知るツールだったが、使い方を手取り足取り教えてもらい公開にこぎ着けたという。
田中さんが一人で作ったことに職場のスタッフらも驚いた。試しに上司が子どものプレゼントを相談したところ的を射た回答が返ってきたことで、有用性を知るところとなった。それ以来、職場では「チャット先生」「チャッピー」と呼ばれ、ちょっとしたブームになっているという。
ウェブページを公開してから日も浅いため、宿泊客からの反応はまだないが、作業を通じて時間帯の異なるスタッフ間で宿泊客からよく聞かれる質問を共有できたという。田中さんは「ウェブガイドで情報をまとめておくことで、人手不足でも対応でき、地図があることで行き方を正しく伝えられる。お客さまと周辺の業者をつなげることにもなる」と話す。
今後は、ツアーガイド事業者などの掲載や多言語版の公開を検討しているという。