
2025年1月初旬から3月末まで開催された徳之島のホエールウオッチングシーズンが終了し、3カ月間で延べ766人が乗船した。
昨年比3%増と安定した人気を維持し、世界自然遺産の島・徳之島ならではの生態解説と、エンターテインメント性を融合させたツアーは、参加者から高評価を得ている。
徳之島のホエールウオッチングの特徴は、単にクジラを見るアクティビティーだけではない。マリンサービス海夢居(徳之島町諸田)代表の鈴木竜爾さんは「ガイドによる詳しい生態解説を取り入れ、例えクジラがあまり見られなくても楽しめるよう、スタッフ一丸となってツアーを作り上げてきた。エンターテインメントとしても楽しめるように工夫し、8年目にしてようやく理想の形に近づいてきた」と自信を見せる。
徳之島で見られるザトウクジラは、体長13~15メートルにもなる巨大な哺乳類で、毎年12月~3月の間にロシアやアラスカなど北方の冷たい海から数千キロを旅して、奄美群島~沖縄、小笠原をはじめハワイ周辺など暖かい海へ回遊し、交尾、出産、子育てを行う。今シーズンは2月の寒波の影響で出航できない日が多かったが、それでもクジラの目撃頭数は261頭を数えた。マリンサービス海夢居のスタッフは毎年の記録を続けていくことで、大きな周期や法則が見えるかもしれないと期待を込めている。
船上からのホエールウオッチングに加え、クジラの状況や性格を見極め、一定条件がそろった時のみ水中での観察が許されるホエールスイムもベテランダイバーの間で根強い人気を誇る。好奇心旺盛なクジラや警戒心の強いクジラなど、その性格と海況のタイミングは慎重に見極められる。参加者の一人は「海に飛び込んだ瞬間、目の前にクジラの影が見えた時の興奮は言葉にならない。クジラがこちらをじっと見つめると、まるで心が通じたような気がする」と話していた。「ホエールスイムは、クジラとの出合いを超えた、自分自身と自然との向き合いの時間でもある」と多くの参加者が口をそろえる中、ホエールウオッチングシーズンは幕を閉じた。
次のシーズンは2025年12月ごろにスタート予定。