コロナ禍で2回目となる「十五夜祭」が9月21日・22日、徳之島・下久志十五夜浜で行われた。
下久志の十五夜祭りは数百年続くといわれ、十五夜当日は集落住民を中心に運動会などの交流が行われ、翌日行われる十六夜には他集落からも親戚知人を招待し盛大に行われる集落を代表する伝統行事。
生活様式の変化から土日に変更される行事も多い中、下久志集落の十五夜祭りは月に合わせ必ず旧暦の8月15日に行われる。
地元青年団が中心となり「サンシキ」と呼ばれるかやぶき屋根を設置し、その下に一重一瓶を持ち寄るのが通例だが、新型コロナウイルス感染症対策として今年はサンシキを設置せず、浜に下りる住民の数も例年の半分以下ほどとなった。
島外からの移住者で、今回初めて下久志十五夜祭りに参加した宮崎皓さんは「初めて参加したが、集落住民の団結力を感じた。コロナが落ち着いたら、ぜひ通常の行事に参加したい」と話していた。
集まった住民らは月が上ってくると住民からの「東の空をご覧ください」の合図に一時照明を消し、中秋の名月を楽しんだ。新生児の健やかな成長を願う恒例のミイバマクマシ(新浜踏まし)も、今年は1人の紹介にとどめた。
住民からは「サンシキを設置しないのはこれまでの歴史を振り返っても初めて。形を変えてでも、続けることが重要」との声も聞かれた。