地域課題解決に取り組む事業者が集まるイベント「アイランドゼブラカンファレンス2024」が9月2日・3日、沖永良部島で開かれた。ローカルゼブラ企業(地域の課題解決と経済成長の実現を目指す企業)をテーマに、島内外から約30人の事業者らが集まった。
主催は「鹿児島離島文化経済圏(通称=リトラボ)」で、ローカルゼブラ企業の創出と育成を目指す中小企業庁の事業「令和6年度地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証事業」の一環。初日は講演や参加者らが各々の活動について事例発表を行い、2日目は同島の畜産農家や一時預かり所などの取り組みを視察して回った。
基調講演を行った、同島在住で東北大学名誉教授の石田秀輝さんは「人間は自然の修復能力に収まる地球一個分の暮らしを実践する必要がある。それが我慢にならないよう、ワクワクドキドキできる工夫や、実現したい社会から逆算して考えるバックキャスト思考が大切」と呼びかけた。香川県三豊市を拠点に地域プロデュースを手がける古田秘馬さんは「これからの資本は、アイデア・仲間・信頼・時間・健康であり、これらは都市よりも地域に多い」と話す。
実行委員長の山下賢太さんは「自治体や企業、島という単位を超えて、ありたい海域のビジョンを共に創り始めた2日間だった。島しょ地域の歴史を前に進めるためには、ヒエラルキーや制度、お金だけでなく、良質な信頼関係から始まることを確認した」と振り返る。