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NEC系企業社員、徳之島でハッカソン 地域課題と向き合いプロダクト開発

プレゼンテーション前にポーズを決める樟南第二高校生混合PMAP(ペンマンゴーアッポーペン)チーム

プレゼンテーション前にポーズを決める樟南第二高校生混合PMAP(ペンマンゴーアッポーペン)チーム

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 NECソリューションイノベータの社員30人と地元の樟南第二高校の生徒4人、システムエンジニアが徳之島天城町に集い、7月4日・5日の2日間、「未来の徳之島を見据えた課題」に対するICTを駆使した課題解決型モノづくりに取り組んだ。

発表前最後の追い込みをかける各チームの参加者たち

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 各チームは徳之島という、都市部とは全く異なる環境に身を置き、朝から夜半まで集中して地域の課題を考え、新たな価値観を生み出すべく試行を重ね、解決案としての最終成果を表現した。

 元々は「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」というNECグループの存在意義を具現化するために行われた社員研修の一環。

 今回のイベント手法は「ハッカソン」と呼ばれ、主にエンジニアやデザイナー、プログラマーが集まり、チーム内で与えられたテーマに沿ってアイデアを出し合い、一定期間集中的にアプリケーションやシステムを開発するもの。NECでは2020年度から開催し、今年は徳之島を会場に日常の業務とは異なる環境や仲間とともに開発を行い、新たな価値や技術を生み出すことを目的とした。

 1チームは年代や男女比も考慮した上で4~5人に分かれ、樟南第二高校の1年と3年も4人参加した。「観光客・高齢者と島民の優しさ(車に乗せてあげよう)マッチングサービス」「観光客のこんなことしたいと島人のこんなことできるよマッチングサービス」など、外からの目線で課題として見える部分をシステムの構築で解決できるよう、各チームは丸2日間、夜の懇親会後もシステム作りにしのぎを削った。

 2日目の夕方、森田弘光天城町長など地元審査員を迎え、8チームが熱のこもったプレゼンテーションを行った結果、1位は「チームさかな」の「観光客に徳之島の“人”を提案するサービス」、2位は「チームキバラデー」の「徳之島で健康増進・リフレッシュをしながら徳之島を知るサービス」が選ばれた。1位のチームは、徳之島の魅力であり重要な地域資源である「人」を観光客とマッチングするシステム、2位のチームは、ワーケーションに来た島外企業社員の健康状態をモニタリングしながら、徳之島での体験を通してより健康になるメニューの提供を行うサービスを、それぞれ開発した。

 全社員10,000人以上いる組織の中から、通常業務をやりくりして今回の徳之島ハッカソンに参加した加藤寛士さんは「時代も変わり、上下関係よりもフラットな社内関係性が広がった昨今、技術力のみならず、他部署、支社の人たちと同じテーマでモノづくりができるのは、さまざまなスキルが融合してとても新鮮な体験」と話す。

 島内から参加した樟南第二高校3年の吉田若奈さんと麓真奈さんは「専門的すぎて話についていけなかったが、2日目はチームの人と仲良くなり、モノづくりの楽しさを知ることができた」と笑顔で振り返る。

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