奄美島唄界の実力者が集う「奄美民謡大賞」本選を1週間後に控えた6月7日、徳之島町文化会館(徳之島町亀津)で第2回「島唄つなぐコンサート」が開催され、徳之島代表や「民謡民舞少年少女全国大会」への出場予定者がその歌声を披露した。
奄美大島瀬戸内町からのゲスト里朋樹さん(右)と徳之島の唄者・指宿桃子さん(左)
会場は熱心な島唄ファンが集い、指笛や大きな拍手などで沸き、奄美の伝統としての島唄で世代がつながる場となった。
同コンサートは、佐賀県のノリ漁師・徳永義昭さんを招いたピアノコンサートに引き続き行う、徳之島町文化会館30周年記念の一環。プログラムは少年の部、青年の部、壮年の部に分かれ、奄美民謡大賞予選と民謡民舞少年少女全国大会予選を勝ち抜いた13人による島唄のコンサート。
前半で小学生と中学生の島唄が披露され、その後、徳之島の集落を代表して「花徳(けどく)昔遊び保存会」が「二女ヶ(にじょか)節、「花徳枕節」を披露した。薩摩藩時代の身分の違う恋仲の唄であること、隣の沖永良部島でも歌われる枕節の歌詞の内容などの説明があり、子どもたちの島唄に花を添えた。
青壮年の部の中には全国1位の称号を持つ唄者もおり、観客は聴きなじんだ島唄を共に歌ったり、その澄んだ唄声に感嘆の声を上げたりして、それぞれの発表者の島唄の後には毎回万雷の拍手が送られた。この日のゲストとして奄美大島瀬戸内町の里朋樹さんが登場し、前回の「奄美民謡大賞」の大賞受賞者として自己紹介。徳之島で歌われる「徳之島一切(ちゅっきゃ)り」も奄美大島では異なる調子で歌われること、徳之島の山集落と奄美大島の与路島が琉球王朝時代には同じ区域にあり、その頃の様子をうたった「山(さん)と与路島」の紹介など、軽妙なトークと共に力強い歌声で会場を圧倒した。昨年大賞を受賞した里さんの受賞曲「枕節」の後は、徳之島恒例の「ワイド節」「六調(ろくちょう)」へつなげ、出演者全員が再度ステージに戻り、輪になって踊ると同時に客席へも降りて観客と共に手舞でコンサートのフィナーレを飾った。
奄美民謡大賞本選は6月15日、奄美市名瀬の奄美川商ホール(奄美市名瀬長浜町)で、民謡民舞少年少女全国大会本選は8月3日・4日、東京都品川区内で開催される。