沖永良部島・和泊町で9月3日、島内で年間を通じて安定した雇用の創出を目指す「えらぶ島づくり事業協同組合」の認定証授与式が開かれた。設立後初の職員となった、香川県出身の木内七海さん、兵庫県出身の谷拓実さん、栃木県出身の直井桃香さんの3人が抱負を述べた。
同組合は、総務省が設立と運営を支援する「特定地域づくり事業協同組合制度」を活用したもので、県内初、全国では13例目となる。人口減少地域において地域産業の担い手を確保するため、季節毎の労働需要に応じて複数の事業者へ職員を派遣する。
認定証授与式には、同組合理事長の平安正吾さんのほか、組合関係者と、鹿児島県、和泊町と知名町の両町代表者らが出席した。平安さんは「自身のため、島のため、さまざまな職場で期待に応えられるよう頑張って、将来は島への定住を考えてほしい」とあいさつし、3人の職員に認定証が手渡された後、おのおのが自己紹介と抱負を述べた。
以前はオーストラリアとニュージーランドに住んでいたという木内さんと谷さんは、1月に開催された、移住希望者向けのオンライン交流会への参加が応募のきっかけ。「日本に戻ったら島に住みたいと2人で話していた。交流会では画面越しでも人の温かさが伝わってきたことで移住を決めた」と話す。
直井さんは、移住情報サイトで職員募集を知ったことがきっかけ。「いきなり離島に住むことは不安だったので、実際に来て、すごくいい場所だと思って移住を決めた。海も山も好き、とくに山に入って昆虫採集をしたい」と新生活への期待に胸を膨らませる。
同組合の派遣先は、所属の組合員が中心で、農業、小売業、食品製造業、医療業、福祉業、宿泊業の6業種8事業者。事務局長の金城真幸さんは「全国から若い人達が集まる活力ある島づくりに取り組んでいきたい。採用予定の8人中6人が決まり、引き続き残り2人を募集している」と話す。