「まち歩きの期待される効果」がテーマの研修会が3月30日、沖永良部島のエラブココ(知名町屋者)で行われた。歩健学研究室代表の西村千尋さんが講師を務め、まち歩きを取り入れた地域振興の事例などを紹介。11人が参加し、同島での今後の取り組みを話し合った。
同研修は奄美群島広域事務組合の事業「エコツアー初期段階育成研修プログラム」の終了に当たり、講師の西村さんが「沖永良部島では全ての字(集落)でまち歩きプログラムを作れるのでは」と思い、修了生を対象に開催。エコツアーとは地域の自然環境を維持しながら地域資源を生かしたツアーで、地域の経済やコミュニティーの発展に貢献するもの。
前半は西村さんからイギリスでの「Right of way」と呼ばれる歩く権利やウオーキングの分類について説明。徳之島の「しまっ子ガイド」など教育分野での活用、長崎市のまち歩き観光「長崎さるく」なども紹介した。西村千尋さんは「歩くことで得られる恩恵を少しでも伝えられたらと思い企画した。今後は沖永良部島の皆さんが主体になり、無理なく取り組めたら。期待している」とエールを送る。
後半は参加者間で同島での今後の取り組みについて意見を交わした。参加した林香織さんは「研修は終えたが、志のある仲間と学び合えてよかった。今後は島の全ての集落の魅力を発見し、学びながら子どもや地域の方々と共有していけたら」、萩原禅さんは「エコツアーガイドとしてどのように成長し、自然保護に貢献できるか理解するのに役立った。自己研鑽のため各種研修を行っていきたい」とそれぞれ意気込む。