地域の課題やテーマを共有するシンポジウム「地域課題からの「創造」-与論島で暮らしと未来を考える」が2月10日、与論町地域福祉センター(与論町茶花)で行われた。当日は、地域住民でもある与論町役場職員有志を中心とした島内外の7人が各自の活動内容を通じた提言や研究内容を発表した。
主催は国際島嶼教育研究センター。当日はオンラインでの参加者を含め100人以上が参加し、介護・防災などに対して取り組む登壇者の発表に耳を傾けた。
与論町役場健康長寿課の池田ひとみさんは「老いと障がいへのまなざし」と題し、「老いや障がいを抱える方への支援はいろいろな課題もあるが、本人がこれまでどのような思いを大切に生活してきたのか、これからどのように生活していきたいのかという視点を大切に周囲の人と一緒に考えながら支援していきたい」と発表した。
与論町役場建設課の日髙彩那さんは「移住支援について、考える」と題し、「業務を通じて見聞を広げていくうちに、入居者を支援するための業務にエンドラインはない。自分ができること、また自分ではできないことは各機関と連携を取りながら、一つ一つ前に進めていきたい」と発表した。
シンポジウムの最後に「ともしびグループ」代表の田畑香織さんがファシリテーターとなり、登壇者全員と来場者との意見交換会「ゆるバズトーク」を実施。それぞれの活動に対して横のつながりを作り、コラボレーションに期待する声が上がった。
企画立案した与論町役場健康長寿課/国際島嶼教育研究センター客員研究員の森隆子さんは「2年前に縁があり与論島に移住し過ごす中で、一人一人がやりたいことが胸にあるんだなと感じる機会が多くあった。今日の場が、立場や役割を超えて協業しながら地域を創る土台づくりにつながり、島で生きることを面白がれるきっかけになれば」と話す。
健康長寿課の林さんは「無事に終えることができて良かった。さまざまな分野について知ることができ新たな視点や機会を与えてくれるきっかけになった。豊富な知識や情熱を持って発言してくれてうれしい。このシンポジウムを通じて新たな交流やネットワークが生まれることを願っている」と振り返る。