地域経済の活性化を目指す徳之島の若手経営者たちが2月7日・8日の2日間、島外から訪れた経営者ら30人との交流の場を設け、島の農林水産業、不動産、医療、子育てなどへのビジネスチャンスと関係人口の創出に取り組んだ。
地元参加者と共に懇親会に参加した島外からの経営者たち(写真提供=秋津忠博さん)
主催は、徳之島の商工会、観光連盟、保育園、空き家NPOなどを代表する若手有志が集まった「徳之島にあるじゃない会」。これまでに種子島、礼文島、隠岐の島などで同様の主催実績を持つ「代表世話人」(大阪市中央区)社長の杉浦佳浩さんと計画を練り上げて実現した。初回となる今回は、関係人口創出を第一の目的に置き、次回へつながる位置付けとした。
「長寿・子宝の島」として知られる徳之島を舞台に、闘牛、世界自然遺産、徳洲会グループ創始者・徳田虎雄さんの故郷としてのコンテンツを考え、1泊2日の行程の中で興味関心のある分野に沿って3つの班に分かれて視察。30人の参加者は、空き家や行政の取り組みに特化する班、農業、黒糖焼酎などもの作り現場に特化する班、観光業や集落歩きに特化する班に分かれ、限られた時間の中で多くの出会いにつながった。
懇親会は徳之島交流ひろばほーらい館で開催。地元製造業者が商品を提供したほか、島料理を振る舞い、南の島での異業種交流会は盛り上がりを見せた。各班参加者による所感のフィードバックでは、「徳之島の課題の抽出というお題はあるが、出会う皆さんが明るく元気で、幸福度の高い島だと思った」「自分の地元にはない資源がたくさんあり、うらやましい。このままこの島の良さを残してほしい」など、ポジティブな意見が多く聞かれた。
次世代事業継承を事業の核とする「Kamakura Kazoku」(神奈川県鎌倉市)取締役の関清一郎さんは「人生初の徳之島訪問は、人も気候も温かい上に、『子どもは地域で育てるもの』と言い切る地元の方々の生き方に深く感動した。この島にはまだ知らない魅力がたくさんあり、次は家族5人で鎌倉から訪ねたい」と笑顔を見せた。
徳之島にあるじゃない会メンバーの一人で、写真家として今回の写真記録を担当した秋津写真館館主の秋津忠博さんは「今回の交流で印象的だった瞬間は、皆さんのキラキラした目。徳之島の美しい風景やマンゴージュース、地元の人に触れて感動していたし、同様に地元の人たちの目も輝いていたのが心に残った」と振り返る。
今後は同様の経営者ツアー第2弾、第3弾を計画し、実施していく予定。