古本を通しての交流、島や海外の文化に触れる「古本と文化市」が2月3日、Phytoron Aromatherapy(与論町麦屋)で開かれた。
会場には個性豊かな出品者の古本が並び、参加者らは本との出会いや交流を楽しんだ。そのほか、絵本の読み聞かせ、与論民俗村による芭蕉繊維でしおり作り体験、ROUTE623Garegeによるコーヒーの販売、MaKaNa SPaによるマッサージなどのリラクセーションも行われた。
絵本の読み聞かせは、与論在住のオペラ歌手で現役保育士のYUKOさんが行い、歌を交えて臨場感ある表現に子どもも大人も引き込まれた。読み聞かせの後、イタリアに留学してオペラを学んだ経歴を持つYUKOさんへの質問タイムも設けた。
主催した竹下千帆さんは「本を通して『この人はこんな本を読むのか』『私と一緒だ』みたいに距離感がキュッと縮まる、その体験ができて、すごく良かった。本を買ってくれた人が島内で会った時に、一冊の本を読んでる経験をしているのは他のコミュニケーションよりすごく仲良くなるきっかけになるのでは」と振り返る。
イベントのタイトルについて、「初めはただの古本市の企画だった。YUKOさんが絵本の読み聞かせができると紹介してもらい、プロフィールを見るととても多彩な経歴で、海外の経験の話を聞きたくなった。芭蕉繊維のワークショップもあったので、与論の文化と与論以外の文化をかけ合わせて『古本と文化市』になった」と話す。
参加者からは「古本は人の趣味をそのままもらえるから、個性的で面白い本も買えるので楽しい。またこんな企画を開いてほしい」「大事にしていた本だけど、なかなか読み返す時間がとれなかったので出品した。本が新しい人の手に渡ってうれしい」などの声が聞かれた。