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沖永良部島で講演「本土復帰を再考する」 宮崎での復帰運動がきっかけに

著書を持つ西村富明さん

著書を持つ西村富明さん

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 沖永良部島の和泊町役場(和泊町和泊)ゆいホールで11月3日、鹿児島県立奄美図書館、鹿児島県立短期大学をオンラインでつなぎ、奄美群島日本復帰70周年記念特別講演会「未来に繋げる奄美の文化」が行われた。和泊町国頭字在住で元鹿児島県立短期大学教授の西村富明さんが「沖永良部・与論の二島分離反対で復帰運動を再考する」というテーマで講演した。

会場いっぱいに詰めかけた参加者ら

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 戦後のアメリカによる占領下、毎日新聞が1952(昭和27)年9月27日に報じた本土復帰に沖永良部島と与論島は含まれないという記事をきっかけに、同島の高校生らを中心に盛り上がった本土復帰運動について話した。

 講演では西村さんの同級生の平幸弘さんも登壇。宮崎県で復帰運動を盛り上げた「奄美大島日本復帰の歌」を紹介しながら、奄美群島の本土復帰運動は宮崎県の奄美出身者らによってのろしが上げられたことを説明。講演の最後には参加者らと復帰の歌を歌い、会を締めくくった。

 参加した田中美保子さんは「復帰の歌は母がよく歌っていたので覚えていたが、宮崎からそののろしが上がったと知って驚いた。当時の人たちの思いが運動となって、今の私たちの生活を支えていると思うと感慨深い」と話す。

 講演を行った西村さんは「当時はサンフランシスコ講和条約という大きな壁があったが、その中で起きた署名運動が国を動かし、アメリカを動かし、奄美大島日本復帰協議会発足から2年10カ月後の本土復帰につながった。思いは伝えることで実現することを、私たちは先人から学ばなければならない」と呼びかけた。12月19日には日本復帰70周年を記念して、沖永良部高校の校庭に「復帰の歌」の歌碑を建立する予定。

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