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次世代へつなぐ「徳之島の島口・島唄・民舞の祭典」 オール島口で開催

新民謡にオリジナルの振り付けで華やかに舞う「ヒマワリの風の手舞」のメンバー(徳之島町生涯学習センター)

新民謡にオリジナルの振り付けで華やかに舞う「ヒマワリの風の手舞」のメンバー(徳之島町生涯学習センター)

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 「第38回島口・島唄・民舞の祭典」が9月3日、「シマグチよ甦れ 島の心を見直そう」をテーマに徳之島町生涯学習センター(徳之島町亀津)で開催され、小学生~91歳の幅広い世代の出演者が、島唄や島口漫談などを披露した。主催は徳之島町教育委員会と同センター。

島唄を唄う小学生

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 地域独自の文化であり、地域の宝でもある島口と島唄を次世代に継承することを目的として開いた祭典では、教育長のあいさつに始まり司会も出演者もほとんどが島口で進行。若い世代にとっては島口に触れる貴重な機会となった。徳之島では日常生活で島口を操る年齢層は上がりつつあり、「奄美語」と分類される島口は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による約2500に上る「世界絶滅危惧言語」の一つに数えられている。

 そうした現状を受け、38回目を数えた今回。コロナ禍の影響を受け続けた過去3年間を経て、今年は島内の8組、45人が出演。「朝花節」「ちゅっきゃり節」などの島唄、島の昔話や島口漫談、「ばしゃ山節」などの民舞を披露した。

 トップバッターを務めた「ミュージックワイド」のメンバーは島内小学生で構成され、「朝花節」「いきゅんにゃかな」を披露し、大きな拍手で迎えられた。最高齢出演者となった白山福榮(ふくえい)さんが登壇し、司会が紹介すると歓声が上がり、島唄披露後も温かい拍手が送られた。亀津の応援歌と唄遊びを披露した亀津南区「丹向晴(たんこうばれ)の美人たち」が登壇すると、前列を占めていた同集落の応援団が、集落カラーである黄色と緑のボンボンの付いたバトンを振り、会場は一気に華やかな空気に包まれた。

 徳之島三味線愛好会のメンバーとして島唄を披露した尾島圭祐さんは「教員として島外からここに来た自分にとって、今日のように島口や島唄に触れられる機会はとても貴重なもの。次の世代へつなげるためにも、これからも継続してほしい」と話す。

 天城町から会場に駆け付けた60代の女性は「子どものころ、親戚が集まる場には当たり前にあった太鼓や三味線、歌や踊りが少なくなる中、今日のような場で転勤家族の方々が島唄を習い、披露するのを見て感動した。島口での漫談を聞いて笑える世代も、これからどんどん広がってほしい」と期待を寄せる。

 徳之島町教育委員会では島口・島唄の保存継承のため、これからも祭典を継続していく予定。

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