集落活性化を目的に徳之島の「山・金見・手々」の3集落合同イベント「サンサンフェスタ」が2月5日、山集落の会場(旧碇山建設)で開催された。
町内初の国登録有形文化財となった「旧山尋常高等小学校校舎」の説明をする講師の林さん
主催は3つの集落の有志で結成された「山・金見・手々 集落活性化委員会」。昨年も同様のイベントを構想したが、コロナ禍で断念した経緯があり、今年は感染症対策を講じて開催にこぎ着けた。
会場では集落住民らが持ち寄った野菜や果物を販売したほか、ヤギ汁・イノシシ汁・焼きそばなど軽食も提供した。
発起人の一人、安田律子さんは「地域の人が品物を持ち寄ってくれ、珍しいものが販売できた。少しでも地域の活性化につながってほしい」と期待を込める。
併せて、地域を知ってほしいと同集落に隣接する森エリアの散策「藍山の滝トレッキングツアー」、集落の歴史的価値の高い場所を巡るスタディーツアー「楽しく学ぼう 山集落巡り」の2つのツアーも開催。参加者は集落や徳之島に対する学びを深めた。
山集落巡りでは、島内現存最古の鉄筋コンクリート造学校建築で国の登録有形文化財となっている山小学校敷地内校舎の見学に始まり、2本のクスノキが長い年月をかけ根本部分が結合した通称「夫婦楠」や、山集落発祥の地といわれる里集落の「ナゴリ山神社」などを、集落出身者の説明を聞きながら巡った。講師の一人で徳之島町集落支援員の林美樹さんは「集落には大切な記憶がたくさんある。これらが途絶えないよう、観光産業などさまざまな分野と連携を図りながら、しっかりと次の世代に価値観を共有していきたい」と話す。