与論町で1月10日~13日、日本『持続可能な観光』地域協議会主催のサステナビリティ・コーディネーター合同研修会が開かれ、 協議会に加入している自治体で活動するサステナビリティ・コーディネーターとその候補、自治体職員らが集まった。
同協議会は、持続可能な観光の国際基準(GSTC)を取り入れた先進的な観光地域づくりに向け、2021年に設立。与論町を含め全国の8自治体で広域的に連携している。
研修では与論町とヨロン島観光協会で作成中のエコツアーを体験し、国際基準に基づいたサステナビリティーの4分野(マネジメント・社会経済・文化・環境)の観点から評価作業を行い活発に意見交換するなどして交流を深めた。
そのほか、参加したメンバーらが共同でサステナブルな旅のモデルの作成、各地域の推進体制の説明・意見交換などを行い、持続可能な観光の推進に向けた共同宣言を作成した。
与論町商工観光課の麓誘市郎さんは「共同宣言の作成などを通して、他の自治体と意見交換できた。各地域で抱えている悩みが同じだったなど、共有できて良かった」と話す。
最終日の午後は与論島内の宿泊事業者向けに、「世界の持続可能な観光地トップ100選」に選ばれている与論島で、選ばれる宿泊先となるためのポイントをGSTCと施設のコストダウンの観点で講習も行った。
講師を務めたGSTC公認講師の高山傑さんは「与論島が持続可能な観光に関心を持っていると客に伝えていけば、それが集客につながる。そうすれば様子見だった人が増えてくるのでは」と期待を寄せる。
同協議会事務局メンバーで一般社団法人地域観光研究所の平野龍平さんは「与論島は意識が高く、日頃から行政と事業者がコミュニケーションをとっていると感じた。外の視点で自分の地域、観光の現状を見られることは、自分の目で見るのと違う。自治体間で刺激を与え合い、交流が深まったのでは」と振り返る。