与論町城(ぐすく)公民館で8月28日、国指定の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」に向けた綱引き用の大綱と地主神社鳥居のしめ縄づくりが行われた。当日は城集落の子どもからお年寄りまで40人以上が参加した。
掛け声とともに約25メートルの大綱・しめ縄を編み上げていった
大綱・しめ縄づくりの様子は、かごしま無形文化財継承支援・活性化事業の一環として、後継者養成、技術継承を目的としたオンライン配信も行われた。
与論十五夜踊は、毎年旧暦3、8、10月の15日に奉納され、8月(今年は9月10日)は踊りの後に無病息災を祈念する綱引きを行う。綱が切れた後の稲わらで体をたたくのが特徴。
当日は、準備された稲わらを子どもやお年寄りが整え、水に漬け、さらにたたいて編みやすくした後、男性陣が掛け声に合わせて力強く綱を編み込んだ。コロナ禍でマスクを着けながらの作業となったが、どこからともなく民謡を歌う声が聞こえたり、若者がベテランにレクチャーを受けたりするなど、終始にぎやかな場となった。
森展宏城公民館長は「若い人の力と高齢者の知恵を借りながら、大綱・しめ縄づくりを引き継ぎつつ、地域全体で文化財保存を一緒になって考えていければ」と話す。