徳之島町下久志集落で6月8日、「春の水神祭」が行われた。同集落では昔から旧暦4月壬辰(みずのえたつ)の日、旧暦9月癸巳(みずのとみ)の日に行われていた祭りを、現在でも旧暦の4月と9月の彼岸の日中に行っている。
雨が続いたこともあり、普段よりも水量が多いという。石碑には「下久志用水 水源地」と刻まれている
この日は15時ごろから集落の山手側にある神山「コウヌ山」の広場に住民が集まり始め、女性たちがござを敷いて受付を行い、住民らはお神酒1合と料理5品を供え、スイジンサマにお参りした。お参りを済ませた後、ござの上で酒を酌み交わすなど、現在は集落の集いの祭りへと変形しているという。
日が傾き始める17時ごろ、区長他数人が水源地へ向かい神事が行われた。水源地はコンクリートで整備されており、ここから引かれた水は集落各家々へ供給されている。水源地中央の石の上にお神酒と食べ物5品を供え祝詞があげられた。
参加者の一人は「これは下久志の大事な文化の一つ。これからも何とか続けていきたい」と話していた。下久志集落では昔から各家々や数軒のグループで水神を祭っていたが、現在は後継者不足やグループの高齢化で継続が難しくなっている。
5月に新しく区長になったばかりの藤山友枝さんは「区長を中心にこれまでも引き継がれてきた大切な文化がたくさんある。不安なこともあるが、集落の住民の方々に支えてもらいながら次の世代に引き継ぎたい」と話す。