![兄弟でタンカンを栽培する久林和道さん(左)と哲美さん(右)](https://images.keizai.biz/amami-minamisantou_keizai/headline/1644403213_photo.jpg)
徳之島の冬の味覚であるタンカンの収穫がスタートした。今年は裏年に当たるため収穫量は少ないが、品質は申し分ないという。
タンカンは、ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種タンゴールの一種で、果肉はオレンジ色で柔らかく多汁、酸味は少なく甘味に富み爽やかな風味が特徴のミカン科の植物。年平均気温19度~22度と比較的高い気温を好み、鹿児島県の離島で国内生産量の8割が収穫される。
生産者である久林さん兄弟は、祖父の代から続くタンカン農園を運営している。糖度が最も高まるよう収穫のタイミングを見極め、2月5日のはさみ入れとなった。ネット販売は行わず、収穫されたタンカンのほとんどが電話での受け付けで完売する。中には収穫する畑を指定して注文を入れる祖父の代からの根強いファンもいるという。カミキリムシの被害もあり現在は約200本の木を5カ所の畑で育てる。
高校卒業を機に一度は島を離れたが、兄の和道さんは10年前、弟の哲美さんは昨年帰島し、子どもの頃から遊び場だったタンカン農園を手伝っている。和道さんは「今年は、数は少ないが糖度の高いおいしいタンカンができた」と満足げな表情を浮かべる。