与論島砂美地来館(与論町茶花)で1月26日、「夢七夜~ビーマとドラウパディの夢~」が上演された。脚本演出を空間演出家の小池博史さんが手掛け、力持ちの戦士ビーマをバリ舞踊家の小谷野哲郎さん、女神の化身ドラウパディを俳優の福島梓さんが、それぞれ演じた。
今回の公演は文化庁委託事業 令和3年度戦略的文化創造推進事業として実現。与論島民を中心とした約70人の観客がプロの舞台を楽しんだ。
同作は、脚本演出を手掛けた小池さんが、夏目漱石の「夢十夜」の形を借り、インドの大叙事詩で、世界三大叙事詩の一つ「マハーバーラタ」の2人の登場人物、ビーマとドラウパディから妄想を膨らませて創作した夢の断片の物語。小池さんは「難しく考えることなく、人間の愛とは何とはかなく、何と強く、何と淡く、何と激しく、何ともろいものか、と感じ取っていただければ」と話す。
観劇した島民の一人は「二人舞台ということを忘れるほど、演じられた2人の方々の存在感の大きさに引き込まれた。体一つでいろんな表情が出るんだと感心した。なかなかプロの舞台を見る機会がない中で、このような機会を作ってくれてうれしい」とほほ笑む。