徳之島の大野原(※ふうのばる)公園(徳之島町井之川)にある約60本のヒカンザクラが次々と開花し始め、新たな花見スポットとして南三島へ一足先に春の訪れを告げた。
同園のヒカンザクラは、同集落の故人が生前、地域活性化のため提供した土地へ、関東地区在住の徳之島出身有志たちでつくるNPO法人「徳之島『夢』振興会議」が行っている活動の一環で、100本の苗を2016(平成28)年に植樹、寄贈した。管理している井之川高齢者クラブが昨年、開花しているのを確認した。今年の開花は昨年より1週間ほど早いという。普段は人通りのない農道が鮮やかに彩られ始めた。
管理に携わっている中水勝久さんは「集落にやっと花見のできる場所ができた。多くの人が訪れてくれるとうれしい。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるので、人との接触を避けて楽しんでいただければ」と呼び掛ける。
徳之島には花見スポットがいくつかあり、母間集落にある「さくら並木ハッピーロード」(母間)では2月に「母間さくら祭」を開催予定。
その他、主な花見スポットは、松原銅山跡地公園(天城町松原)、岡前西郷公園(天城町岡前)、義名山公園沿道(伊仙町伊仙)、徳之島総合運動公園(徳之島町徳和瀬)。
ヒカンザクラの原産地は台湾、中国南部。日本でも鹿児島県や琉球列島に分布しており、開花時期は1月から3月ごろまで。
※(ふうのばる)徳之島の方言で表わす地域の呼び名。