ペンキ画家のSHOGENさんが2月16日~20日の5日間、徳之島に滞在し、こども園から高校まで計11校を巡って講話とペイントイベントを行った。期間中、子どもたちが学校の門壁やプール壁面などにペンキで絵を描き、色とりどりの空間が島内各所に広がった。一般参加者向けにはトークショーを開いた。
SHOGENさんは昨年5月に続き2回目の来島。今回の徳之島について、「子どもの『やりたい』をかなえてあげようとする大人が多い印象。『信じてやってみよう』ができるのが徳之島の人たちのすごいところ」と、学校現場と地域の受け入れの姿勢に驚きを示した。
子どもたちについては、「素直な子が多く、個性が強い。同じような絵を描く子がいないのがアートとして抜群にいい」と話し、島の子どもたちの表現力に感心を見せた。講話では年齢に応じて成功談だけでなく失敗や未熟さも含めて語ることを意識していると言い、「いい話だけでなく『やったけれどできなかったこと』も心を育てる経験になる。分からないことを『分からない』と言える大人の姿が、今の日本には必要だと思う」と話す。
タンザニアでの経験から得た大切な核として「直感を信じて動くこと」を挙げ、下描きなしで描くアフリカンアート・ティンガティンガの手法は、その感覚を育てる練習にもなると説明した。「アートに正解はなく、全部が正解で、全部が成功。人生に下描きはない」と子どもたちにメッセージを送った。
今回の企画を運営した「SHOGENもーちたぼれ実行委員会」代表の富本あゆみさんは「できるだけ多くの島の子どもたちに体験を届けたいとの思いから、数カ月前から島内各校との調整を重ねて実施した」と話す。「子どもたちは普段、画用紙に描くことが多いが、広い壁に下描きなしで描くという挑戦によって、自分を信じる感覚が生まれる。SHOGENさんの言葉がけや大人も一緒に描くことで生まれる一体感を体感してほしかった」と企画の狙いを語った。
富本さんは、講話で心に気づきが生まれ、学校に残るペイントが母校愛や郷土愛につながることに期待を寄せる。作品には保護剤も塗る予定で、「大人になった時にも絵が残っていて、すてきな思い出の一ページになっていたらうれしい」と話す。実行委員会には地域の子どもたちのためにさまざまな職業の人が集まり、地元企業や個人の支援によりペンキなどさまざまな費用を賄えたという。「離島の子どもたちに体験を届けたいと思ってくださる方々の存在が本当にありがたい」と感謝の言葉を口にする。
徳之島の人々へ向けて、SHOGENさんは「子どもが『流れ星を捕まえにいきたい』と言ったら、一緒に探しにいってくれるような大人が多くてすてき。短期間でこんなに縁がつながってうれしい」と話し、「こうした機会を今後もつくっていきたい」と再来島への意欲を見せた。