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徳之島で「島唄つなぐコンサート」 地域ごとの特色と島唄の魅力を披露

暗闇と静寂の中、奄美の島々を代表する唄者の声に聴き入る聴衆

暗闇と静寂の中、奄美の島々を代表する唄者の声に聴き入る聴衆

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 「第3回島唄つなぐコンサート」が6月14日、徳之島町文化会館(徳之島町亀津)で開催され、約400人の来場者が奄美の豊かな島唄の世界を楽しんだ。主催は同館。奄美諸島の暮らしに深く根付いている島唄を、より身近に感じ、多くの人々に興味を持ってもらうことを目的として始まった同イベントは、今年で3回目を迎えた。

徳之島を代表する唄者、中島清彦さんとおはやしを務めた鶴幸子さん

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 オープニングでは地元徳之島を代表し、東三彦さん、富田良一さん、實夏三さん、富育美さんが登場し、同じ唄でも地域によって特色が異なることなど解説し、島唄の奥深さを紹介。続いて徳之島西犬田布地区の「とうばる青年団」が、島の稲作の様子を歌い上げた「稲すり節」を歌いながら、田植えから収穫までの様子をコミカルに表現し、会場は指笛と歓声に包まれた。

 15年ぶりに徳之島のステージに立った天城町出身の森田美咲さんのステージでは、高校生当時の動画がサプライズで流され、2児の母親になっても変わらない美しい歌声に来場者は聴き入った。

 この日は「つなぐ」をテーマに、各島々を代表する島唄の唄者が集結。喜界島代表から指宿桃子さん、奄美北部笠利地区から松山美恵子さんと平田まりなさん、南部瀬戸内地区と徳之島から中島清彦さんと鶴幸子さん、沖永良部から波多野雅也さんが参加し、解説を交え、それぞれの島の魅力が詰まった歌声を披露。ステージに映し出された歌詞を見ながら一緒に口ずさむ観客の姿も見られ、会場全体が一体感に包まれた。

 コンサートの最後は、徳之島を代表する「ワイド節」、奄美群島に共通する「六調」で締めくくられ、盛況のうちに幕を閉じた。沖永良部島代表の波多野さんは 「島々でシマ唄をつなぐ活動をしている皆さんの演奏や交流を通して、大変勉強になった。このつながりを生かしながら、エラブでさらに頑張っていきたい」と意気込みを見せた。

 同館の実島一仁館長は「島唄の魅力は、当時の様子が歌詞から思い浮かべられること。各島々の各地域に伝えられた唄が、地域性によってさまざまに変化している。この魅力をもっと島内外に広めていきたい」と話し、島唄が持つ歴史的・文化的価値、地域ごとの多様性をさらに発信していく意欲を示した。

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