「与論町子ども議会~ゆめ議会2021~」が1月7日、同町議会議場で行われた。町内の小学生6人、中学生3人、高校生3人の計12人が「ゆめ議員」として参加。進行役となる議長・副議長は与論高校1年の吉田莉萌さん、与論中学校3年の吉田琉乃さんが務め、その他の「ゆめ議員」は日頃の生活を通じて感じた町の課題を山元宗町長をはじめとした当局に質問や提案を行った。
議長・副議長は与論高校1年の吉田莉萌さん、与論中学校3年の吉田琉乃さんが勤めた
子ども議会は、児童生徒を含めた地域住民が議会や行政の取り組みをより身近に感じるための機会づくりなどを目的とし町教育委員会が主催。2019年に初開催し、今年で2回目。今後も隔年で実施していく予定。
各校を通じて立候補し参加した児童生徒は4回の事前ミーティングに参加し、おのおのの発表について準備を行った。事前ミーティングでは、地域の大人たちに話を聞いたり、話の構成について考えたりする機会を設けるなど、自身の発表に説得力を持たせた。アンケートを取ってデータを準備したり、手書きの資料を用いて説明したりする児童生徒の姿も見られた。
道路整備について質問した茶花小学校6年の山代純璃愛さんは「安全な登下校のため、道路の側溝を増やしたり安全なものに替えたりしてほしい」と訴えた。担当課長は「道路整備については安全性を高めつつ維持管理に努めているが、多くの道路が老地区かの時期を迎えており順番に修繕を行っている。危険な箇所は早急に対処するようにしているが、気付かない所も多々あるため、すぐに連絡が欲しい。通学路に関しても日々の点検を行いながら整備していきたい」と答えた。
このほか体育館の雨漏り、海ゴミ用の拾い箱の増設、観光ホテル跡地の利用方法、図書館の利用時間延長などについて質問が上がった。
町内イベントの発信方法、茶花海岸へのシャワー室設置について質問した与論中学校3年の川畑日藍子さんは「このような正式な場所で自分が住んでいる地域について自分の言葉で発表するする機会となり、いい経験になった。この経験を生かして地域のために考えていきたい」と振り返る。
町教育委員会の兒玉拓世指導主事は「傍聴した大人たちからも子どもたちの意見がいい刺激になったという声が多かった。子ども議会に参加した子どもたちには、今後も思いやる気持ちを大人や社会に表現し続けてほしい。地域の大人たちは自分たちの意見に耳を傾けてくれるんだという関係につなげたい。各学校と地域との連携が深い与論島だからこそ、できることもたくさんある」と話す。