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沖永良部島の田皆字で「墓正月」 先祖と共に墓前で自慢料理囲む

お墓の前で集まる白石家

お墓の前で集まる白石家

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 沖永良部島の田皆字の共同墓地で1月16日、伝統行事「墓正月(はかしょうがつ)」が行われた。毎年同日に行われる行事で、親族らが墓前に集まって食事や酒を楽しみながら先祖を供養する。

各家庭自慢の料理を楽しむ

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 この日は天候にも恵まれ、重箱やオードブル、フライドチキンなどの料理を手にした住民たちが朝から墓地を訪れ、久しぶりに再会した親戚や友人らと談笑しながら和やかな時間を過ごした。9時半ごろには地元の田皆小学校の児童らが総合学習で墓地を訪れ、墓正月に加わった。

 墓正月を行う家の児童は自身の先祖の墓前に向かうほか、ほかの児童には墓正月でにぎわう住民らが「いらっしゃい」と手招き。それぞれが墓正月に加わる形で交流しながら伝統行事を学んだ。児童らが学校へ戻る10時50分ごろまで、墓地は子どもたちのにぎやかな声に包まれた。

 白石昭弘さんの家では6世帯13人が集合。1歳から94歳までの家族が墓を囲んだ。墓前に敷いたじゅうたんの上に、ニンニクの葉と豚肉を炒めた郷土料理の「ひるあぎ」や、昭弘さんが4時間煮込んだという豚足のほか、エビチリや唐揚げなどの各家庭自慢の料理が並んだ。昭弘さんは「正月は仕事で忙しい親戚も多いが、この日だと集まりやすい。皆で顔を合わせられるのがいい」と話す。

 昭弘さんのおいの重樹さんは「楽しいから来ているという感覚。この日に合わせて島外からも家族や友人が帰ってくる」と話す。子どもたちが楽しめるよう大人たちで楽しませる準備を心がけているという。

 墓正月は、以前は夕方まで焼酎を飲み交わしてけんかになるほどにぎやかだったというが、近年は時間が短くなるに伴って飲酒量も減り、服装も大島紬(つむぎ)などの正装から普段着へと、その様式も変化しているという。この日は、多くの家が昼前には撤収し、それぞれの家で料理を楽しんだ。

 田皆字出身の住民の一人は「兄や姉が来てくれるから続けられる行事。一人で線香をあげるだけではさすがに寂しい。字でも継続には賛否もあるが、自分が生きているうちは続け、後の世代に任せたい。人がいないとできないこと」と、親戚で先祖を敬う伝統行事への思いを語った。

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