和泊町手々知名の小高い丘に立つ「ペンションさんご」（和泊町手々知名243）のオーナー・有馬照代さんが9月7日の夕暮れ時、3度目となる「パーフェクトレインボー（＝きれいな半円の虹）」を捉えた。

2020年5月16日に撮影されたピンクがかったパーフェクトレインボー

　有馬さんが撮影に成功したのは18時前、雨が上がった直後のこと。空に濃く鮮やかな半円形の虹がくっきりと浮かび上がり、「もしかしたらと思って外に出てみると、きれいな半円のアーチが架かり、思わずシャッターを切った」と振り返る。

　有馬さんによる「パーフェクトレインボー」の撮影は今回が3度目。最初は2020年5月16日、2回目は2022年6月8日に成功しており、いずれも宿の立地条件と気象の偶然が重なった瞬間だった。今回で3度目となり、宿の歴史にまた一つ特別な記録が刻まれた。

　オープンから8年を迎える「ペンションさんご」で、この出来事は2025年上半期を彩る瞬間となった。

　同施設は洋室ダブル4室を備えたペンションで、和泊町市街地からも近く、観光客に人気がある。丘の上という立地を生かし、昼は遠くに広がる青い海や島の集落を一望でき、夜には満天の星空や電照菊の幻想的な光景を楽しむことができる。特に雨上がりには虹がかかることが多く、宿泊客にとっては偶然の出合いが旅の思い出を演出する。

　今回撮影されたパーフェクトレインボーは、半円形の虹が地平線にかかる形で全体像を望める希少なもの。丘の上という開けた視界と天候条件が重なったからこそ生まれた瞬間といえる。

　有馬さんは「SNSや口コミを通じてこうした体験が広がれば、『雨上がりに虹が架かる宿』として認知されたらうれしい」と期待を込める。